Appleデバイスの管理ソフトウェアを提供するアメリカの企業「アディジー(Addigy)」は、IT部門が組織内のAI(人工知能)の利用状況を管理し、制御するための新たな機能「インテリジェンス・スイート(Intelligence Suite)」の提供を開始したと発表しました。
現在、多くの企業で従業員によるAIツールの利用が急速に進んでいますが、IT部門にとっては、アプリやサービス全体での安全なAI利用の管理が大きな課題となっています。アディジーは、この課題を解決するため、自社のプラットフォームに直接AI機能を組み込み、コンプライアンス(法令順守)を強化しながら、承認されたAIツールを安全に活用できる環境を提供する方針です。
新機能には、管理者の承認向けにスクリプトの作成や監査、推奨アクションを提示する「AIスクリプト・アシスト」が含まれています。この機能は、顧客がすでに設定しているアクセス制御のルールに従って動作するということです。また、自然言語によるレポート作成機能も備わっており、複雑な設定を行わずに必要な情報を簡単に抽出できるとしています。
アディジーの創業者で最高技術責任者(CTO)を務めるジェイソン・デットバーン氏は、「管理者の多くはシステムの管理作業に時間を奪われています。管理者が設定した制限の範囲内でのみ自律的な操作を許可することで、安全性を担保します」と述べています。また、試験導入した企業の担当者は、「レポート作成機能が非常に使いやすく、業務の大幅な効率化につながる」と評価しています。
セキュリティ面について、アディジーは、AIの処理がすべて自社の環境内で完結し、顧客データが外部のAIモデルに送信されることはないとしています。すべての機能にはあらかじめ安全対策が組み込まれており、デバイス管理の制御システムをAIエージェントと連携させる機能においても、すべての操作に対して管理者が制限を設けることができるということです。
さらに、従業員がIT部門の許可なくAIツールを利用する「シャドーAI」への対策も強化されています。Mac端末全体でAIツールの利用状況を監視し、制御やブロックを行うためのコンプライアンス規則が標準で用意されています。これにより、IT部門の管理が追いつかないままAIツールが導入されるリスクを軽減できるとしています。
導入した企業の経営者からは、「これまで数日かかっていたセキュリティリスク計画の作成が1時間で完了した」といった声が寄せられているということです。AIの普及が進む中、企業では業務効率化と安全な管理を両立させるツールの需要が一段と高まっています。
