アメリカ司法省の公民権局は、AI(人工知能)の開発を手がける「オープンAI(OpenAI)」とその元子会社である「スタッツシグ(Statsig)」に対し、外国人従業員の永住権(グリーンカード)取得を支援する際の採用活動について、今後3年間にわたり監視を行う内容の和解が成立したと発表しました。
司法省によりますと、両社は外国人従業員の永住権取得の手続きを進める際、アメリカ市民が同じ職種に応募するのを妨げるためのさまざまな手法を用いていたとされています。両社は違法行為を認めていませんが、総額320万ドル(約4億9600万円)を支払うことに合意したということです。このうち120万ドル(約1億8600万円)が罰金として徴収され、残りの200万ドル(約3億1000万円)は、不利益を被ったアメリカ市民が確認された場合の補償金として確保されるとしています。
司法省は、両社が移民国籍法(INA)の規定に違反したと指摘しています。同法では、永住権の申請(PERM)を行う前に、適格なアメリカ市民を対象とした求人活動を誠実に行うことが義務付けられています。しかし、両社は一般的な求人サイトに募集を掲載せず、深夜のラジオで広告を流したり、電子メールではなく書面での応募を要求したりしていたということです。
今回問題となったのは10件未満の職位ですが、和解の一環として、両社は罰金の支払いに加え、永住権申請に関わる採用活動について司法省の監視を受ける方針です。具体的には、採用方針の策定と承認に加え、半年ごとの報告書の提出が義務付けられます。報告書には、外国人従業員の申請件数や面接を行ったアメリカ市民の数などの統計データを含める必要があるということです。
オープンAIは2025年9月にAIのA/Bテストを手がけるスタッツシグを買収し、その後2026年5月に事業の少なくとも一部を売却しています。一方、司法省は買収前の2025年8月から両社を個別に調査していたとしています。対象となったのは、2023年から2025年にかけてのオープンAIの5件の事例と、スタッツシグの1件の事例だということです。
司法省は、今回の和解は関連する問題に対する企業への取り締まり強化の一環だとしています。1952年に制定された移民国籍法は、これまでも歴代政権下で大手IT企業に対して適用されてきました。バイデン政権下でも、フェイスブック(Facebook)やアップル(Apple)が同様の和解に応じていますが、これらのケースでは違反が広範かつ組織的であったと司法省は指摘していました。
