イギリスの半導体設計大手アーム(Arm)は、今後のアンドロイド端末向けチップに搭載される新たなCPUコア「C2」シリーズと、性能を強化した画像処理半導体(GPU)「Mali」シリーズの最新モデルを開発したと発表しました。
アームが設計するCPUは、台湾のメディアテックの最上位モデルやアメリカ・グーグルの「Tensor」など、多くのアンドロイド・スマートフォン用チップの基盤として広く採用されています。今回発表された新型CPUコア「C2-Ultra」および「C2-Pro」は、単一の処理能力(シングルスレッド性能)が従来比で15%向上し、アプリの起動速度も12%高速化するということです。
また、専用のAI処理半導体(NPUやTPU)に依存せず、CPU自体にAI処理機能を組み込んでいる点も大きな特徴としています。これにより、端末側でのAI処理能力が一段と高まる方針です。
さらに注目を集めているのが、新型GPU「Mali G2-Ultra NX」です。アームは、AIを活用したグラフィックス技術により「デスクトップPC並み」の性能を実現するとしています。この新しいGPUは、画像処理の過程にAIの処理回路を直接統合しており、モバイル端末の消費電力制限の範囲内で、より豊かで応答性の高い視覚体験を開発者が提供できるよう支援するということです。
GPU全体の処理性能は14%向上し、最新のゲームエンジン「Unreal Engine 5」の機能「MegaLights」にも対応しています。さらに、滑らかなゲームプレイを実現するための「中間フレーム生成機能」や、低解像度のゲームを高画質化する機能も備えているということです。
これらの新技術は将来的に他の機器にも搭載される可能性がありますが、まずはスマートフォン向けに提供される方針です。具体的には、中国シャオミの折りたたみ式スマートフォン「18 Fold」に搭載される「XRing O3」チップで初めて採用される見通しです。ただし、この新しいハードウェアの性能を最大限に引き出すゲームが登場するまでには、一定の時間がかかるものとみられています。
