アメリカの人工知能関連のスタートアップ企業「エリスAI」は、プライベートクレジット(未公開企業向け融資)の運用担当者向けに業務を効率化する新たなシステムを開発し、シードラウンドで1000万ドル(約15億5000万円)の資金調達を実施したと発表しました。
今回の資金調達には、「ファーストラウンド・キャピタル」や「コースラ・ベンチャーズ」などの有力ベンチャーキャピタルのほか、投資会社「アリエル・オルタナティブス」のメロディ・ホブソン最高経営責任者らが参加したということです。
エリスAIは、不動産投資プラットフォーム「キャドレ」の共同創業者として知られるライアン・ウィリアムズ氏が昨年設立しました。キャドレは過去に1億6000万ドル(約248億円)以上の資金を集め、ピーク時の企業価値は8億ドル(約1240億円)に達しましたが、2024年に別の投資会社に売却されています。
ウィリアムズ氏によりますと、未公開市場のフロント業務が近代化される一方で、その基盤となるインフラは依然として分断された状態にあるということです。エリスAIは、この課題を解決するため、プライベートクレジット企業が使用する複数のソフトウェアや会計情報、文書などを1つのプラットフォームに統合する方針です。
開発されたシステムは、人工知能を活用してデータの不一致を検知するほか、ポートフォリオの監視や報告書の作成といった業務を支援するとしています。例えば、月末の決算処理において、従来は手作業で行われていたファイルのダウンロードやデータの再フォーマット、残高の照合などを効率化するということです。
また、既存のシステムや文書に直接接続できるため、企業側は現在のシステムを全面的に入れ替える必要がないとしています。
一方で、ウィリアムズ氏は、システムが完全に自律して稼働するのではなく、重要な意思決定や行動については引き続き人間の専門家が担う方針を示しています。同氏は「私たちの目標は人間の判断を代替することではなく、膨大な情報の中から必要なデータを見つけ出し、より迅速で的確な意思決定を支援することだ」としています。
