ギリシャに拠点を置き、顧客対応システムの自動化を手がける企業「オミリア(Omilia)」は、事業規模の拡大に向けて6700万ドル(約103億8500万円)の資金調達を実施したと発表しました。
顧客対応の分野では近年、AIを活用して電話やチャットを自動化する新興企業が相次いで参入しています。しかし、2002年から音声通話の自動化に取り組んできたオミリアは、すべての処理に最新のAIを用いることは非効率的だと指摘しています。
同社のディミトリス・ヴァソスCEOは、顧客からの問い合わせの多くは口座残高の確認など基本的な内容であり、こうした作業に大規模言語モデル(LLM)を導入する必要性は低いとしています。
ヴァソスCEOは、「生成AIの展開のみに特化する企業とは異なり、我々は状況に応じて最適な技術を使い分ける」と述べています。コールセンターの現場では、単一の高度な技術に頼るのではなく、複数のツールを組み合わせることが重要だということです。
現在、同社はさまざまな顧客接点で機能する自己学習型のシステム構築へと事業を拡大しています。今回の資金調達は、投資会社のエクスペディション・グロース・キャピタルが主導したということです。
同社が資金調達を行うのは、2020年に2000万ドル(約31億円)を調達して以来2回目となります。この間、年間経常収益は10倍に成長し、6000万ドル(約93億円)に達したとしています。
同社は、自社と顧客の双方にとって費用対効果が高いことが強みであり、競合他社のような大規模な資金注入を必要としてこなかったとしています。今後3年間で、収益を10億ドル(約1550億円)規模に成長させる基盤を築く方針です。
同社のシステムは、大手金融機関などを中心に導入されています。また、現在はファストフード店での音声注文システムの展開に注力しており、アメリカの「タコベル」ではすでに1000店舗以上で技術が導入されています。さらにアメリカ国内の別の2チェーンとも協議を進めているということです。
一方で、一部ではこの注文システムのエラーにより、昨年顧客が大量の水を注文できてしまう不具合が発生したと報じられました。しかし、ヴァソスCEOはこの事案を否定しており、同社の記録にも残っていないとしています。
オミリアは今回調達した資金を活用し、主要な収益源であるアメリカ市場に新たなオフィスを開設する方針です。また、営業やマーケティングの責任者を新たに採用し、販売体制を強化するとしています。
現在約500人体制の従業員数については、今年末までに600人規模へと拡大する計画だということです。
