アメリカの靴メーカー「オールバーズ(Allbirds)」は、主力事業である靴ブランドと関連資産を売却し、人工知能(AI)分野に事業を転換すると発表しました。あわせて社名を「ニューバードAI(NewBird AI)」に変更する方針です。
同社が投資家向けのウェブサイトで明らかにしたところによりますと、先月、靴ブランド「オールバーズ」と関連資産を3900万ドル(約60億4500万円)で売却したということです。今後は、GPU(画像処理半導体)をサービスとして提供する事業や、AIに特化したクラウドソリューションの提供を行う企業へと生まれ変わるとしています。
また、新たなAI企業として、匿名の機関投資家から転換社債の形で5000万ドル(約77億5000万円)の投資を受け入れたことも発表しました。
オールバーズは、かつてシリコンバレーのIT技術者などの間で人気を集めた靴メーカーですが、今回の抜本的な事業転換により、GPUの提供企業となります。同社は、資産とブランドを売却した後も、アメリカのナスダック市場での上場企業としての枠組み(ティッカーシンボル「BIRD」)を維持し、成長が著しいAI分野への投資に活用する狙いがあるということです。
過去には、2017年にアメリカの飲料メーカーがブロックチェーン事業への転換を発表し、株価が急騰したものの、翌年には上場廃止となった事例があります。ニューバードAIは、こうした過去の事例とは異なる持続的な成長を目指しているとみられます。
同社によりますと、今回の資金調達と資産売却は、5月18日に予定されている株主総会での承認が必要だということです。売却が承認された場合、第3四半期中に株主に対して配当を実施する方針です。なお、オールバーズのブランドと資産を取得したアメリカン・エクスチェンジ・グループ(American Exchange Group)が、引き続き既存の顧客向けに靴の製造を行うとしています。
一方、ニューバードAIは、新たに調達した資金を活用してGPU資産を取得し、AIの計算能力を必要とする顧客に提供する計画です。将来的には、他社との提携や戦略的な企業の合併・買収(M&A)を通じて、提供するサービスを拡大していく方針だということです。
