アメリカのIT大手グーグル(Google)が長年提供してきた音声アシスタント機能「Googleアシスタント」が、次世代の生成AI「Gemini(ジェミニ)」への移行に伴い、段階的に終了へと向かっていることがわかりました。数百万人のユーザーに親しまれてきた機能の縮小と、新たなAIプラットフォームへの移行という同社の戦略の転換が浮き彫りになっています。
「OK Google」時代の終焉
2016年に発表されたGoogleアシスタントは、スマートスピーカーやスマートフォンなどに広く搭載されてきました。音声を使って情報を検索したり、家電を操作したりする機能は、音声アシスタントの標準として普及しました。
しかし、従来のシステムはあらかじめ設定された特定の単語や構文に依存しており、複雑な文脈を理解するには限界があったということです。近年、大規模言語モデル(LLM)を用いた生成AIが業界の主流となるなかで、従来のシステムの仕組みは時代遅れになりつつあると指摘されています。
機能の縮小とユーザーへの影響
こうしたなか、Googleアシスタントの機能はここ数年で段階的に縮小されています。2024年初頭には、音声によるカレンダーの予定変更など18の機能が削除されました。また、スマートウォッチや一部のテレビ、車載システムなどからもアシスタント機能が取り下げられています。
特定の機能を目的に端末を購入したユーザーにとって、アップデートによる機能の削除は利便性の低下を招いており、不満の声も上がっているということです。これは、ハードウェアが単なる買い切り型の製品ではなく、企業のサービス方針によって機能が変化する現代の傾向を示しています。グーグルは、利用頻度の低い機能を整理し、Geminiへの移行を正当化する方針を示しています。
各種端末での提供終了とGeminiへの移行
グーグルは、2026年3月以降、Android端末におけるGoogleアシスタントの提供を終了し、Geminiに切り替える方針を明らかにしています。現在、既存のスマートフォンでも段階的に機能の置き換えが進められています。
また、ノートパソコンの「Chromebook」でもGeminiが標準搭載となりました。グーグルは、文章の作成や要約、プログラミング支援など、生産性を向上させる高度なAI機能の利用を促す戦略をとっています。
さらに、車載システム「Android Auto」でもGeminiの導入が始まっています。ただし、運転中の音声操作においては、従来のシステムが持っていた応答速度の速さと、Geminiの高度な情報処理能力をどのように両立させるかが今後の課題とされています。
次世代AI「Gemini」がもたらす変化
グーグルがGeminiへの移行を進める背景には、より自然な会話や複雑な推論が可能なAIを普及させる狙いがあります。従来のシステムは、単純なタスクを素早く確実にこなす点に優れていましたが、Geminiは文脈を理解し、柔軟に対応することが可能です。
今後発売されるスマートスピーカーなどの新製品も、Geminiを中核としたシステムに移行する見通しです。Googleアシスタントの段階的な終了は、より統合的で高度なAIサービスへと進化するための避けられない道筋であるとみられています。
![What is happening with the Google Assistant? [Video]](/_next/image?url=https%3A%2F%2F9to5google.com%2Fwp-content%2Fuploads%2Fsites%2F4%2F2026%2F04%2FGoogle-Assistant-UI-1.jpg%3Fquality%3D82%26strip%3Dall%26w%3D1600&w=3840&q=75)