アメリカのIT大手グーグルは、対話型AI「Gemini(ジェミニ)」の新たな音声機能を導入すると発表しました。同社は、利用者が用途に応じて複数の機能を使い分ける必要がなくなると説明していますが、AI業界全体において、機能ごとに異なる名称をつける複雑なブランド戦略が、利用者の利便性を損ねているという課題が指摘されています。
グーグルが提供する「Gemini」のアプリでは、現在、「チャット」や、利用者に代わって作業を行う「Spark(スパーク)」、日々の予定をまとめる「Daily Brief(デイリー・ブリーフ)」といった機能が独立して存在しています。それぞれに専用のアイコンが設けられており、利用者が手動で切り替える仕組みとなっています。
専門家からは、こうした設計が操作を複雑にしており、AIの決定的な活用方法を模索している現状を示しているとの見方が出ています。例えば、「Daily Brief」は、メールやカレンダーから情報を抽出して予定を提示する機能ですが、緊急性の高い情報と、過去の検索履歴に基づく不要な提案を区別できないことがあり、利用者にとって不自然に感じられる場合があるということです。
また、有用な機能とされる「Spark」についても、独立したブランドとして提供されている点が課題として挙げられています。一般的な利用者は、AIのどの機能を使うべきかを意識することなく、要望を入力するだけでAIが自動的に処理を行う、直感的な操作性を求めているとされています。
こうした課題はグーグルに限ったものではありません。AI業界全体において、開発者側の視点に基づいた複雑なシステム構造が、そのまま利用者に提供される傾向にあります。
アメリカのオープンAIが提供する「ChatGPT」や、アンスロピックの「Claude(クロード)」でも、「チャット」と「作業」のモードを切り替える必要があり、日常的な利用において不自然さを生む要因になっていると指摘されています。
一方で、アメリカのアップルが提供する音声アシスタント「Siri(シリ)」の戦略が、最終的に消費者の支持を集める可能性があるという見方も広がっています。アップルは、検索機能やカメラ、写真アプリなど、利用者がすでに使い慣れている機能にAIを組み込んでおり、新たな操作方法を覚える負担を求めていないためです。
さらに、日常的に使用するメッセージアプリを通じてAIを利用するサービスの需要も高まっています。アメリカの投資会社の担当者は、「利用者はその都度アプリを開くのではなく、友人に連絡するようにAIを活用したいと考えている」と分析しており、よりシンプルで直感的な操作性が今後のAI開発の鍵になるとしています。
