アメリカのIT大手グーグルから、人工知能(AI)の有力な研究者が競合他社へ移籍する動きが相次いでいることが明らかになりました。アメリカのブルームバーグ通信は、グーグルの対話型AIの開発を主導した研究者らが、新興企業のアンスロピック(Anthropic)に移籍すると報じています。
報道によりますと、アンスロピックに移籍するのは、ジョナス・アドラー氏とアレクサンダー・プリッツェル氏です。両氏は、グーグルの生成AIモデル「ジェミニ(Gemini)」の開発において中心的な役割を果たしたということです。
グーグルからの人材流出は続いています。先週には、2000年から同社に在籍していた著名なAI研究者であるノーム・シャジール氏が、オープンAI(OpenAI)へ移籍すると発表しました。シャジール氏は一時グーグルを離れ、対話型AIを開発する新興企業「キャラクターAI(Character.AI)」を立ち上げていました。グーグルは、シャジール氏を「ジェミニ」の開発に復帰させるなどの目的で、この企業を実質的に27億ドル(約4185億円)で買収したとされています。
さらに、シャジール氏の移籍発表から数日後には、グーグルのAI開発部門「ディープマインド(DeepMind)」のディレクターを務めるジョン・ジャンパー氏も、アンスロピックへ移籍すると発表しました。ジャンパー氏は、アミノ酸の配列からタンパク質の立体構造を予測するAI「アルファフォールド(AlphaFold)」の開発に貢献し、ディープマインドのデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)とともに2024年のノーベル化学賞を受賞しています。
オープンAIやアンスロピックなどの新興企業は、将来的な株式公開を見据えているとされています。自社の株式の付与を条件に優秀な人材を確保しやすい環境にあるため、こうしたAI分野におけるトップクラスの研究者の引き抜き競争は、今後も続く見通しだということです。
