アメリカの有力ベンチャーキャピタル、コースラ・ベンチャーズは、カリフォルニア州の拠点以外で初となるオフィスを、今年の秋にニューヨークに開設する方針を明らかにしました。
同社の有力投資家であるキース・ラボイス氏が、ニューヨークで開催されたIT関連のイベントで明らかにしたものです。新オフィスはニューヨーク中心部の14丁目に開設される予定だということです。
コースラ・ベンチャーズは、これまでベンチャーキャピタルが集積するカリフォルニア州のサンドヒルロードに拠点を置いており、サンフランシスコ市内にもオフィスを持っていません。ラボイス氏は今回の決定について、「当社にとって非常に大きな一歩だ」としています。
新オフィスには数名の投資家が常駐するほか、「エグゼクティブ・ブリーフィング・センター」と呼ばれる施設を設ける方針です。ここでは週に4日、投資先のスタートアップ企業およそ10社を、アメリカの主要企業である「フォーチュン500」の企業と引き合わせる場として活用するとしています。これにより、投資先企業の顧客開拓や実証実験を支援する狙いがあるということです。
ラボイス氏自身も最近、家族の住む東海岸に生活の拠点を移しています。ニューヨークにおける人材確保についてラボイス氏は、大学を卒業したばかりの若手人材は非常に優秀である一方、経験豊富な技術者や経営幹部の採用には課題があるとの見方を示しました。特に、幹部層は郊外に住むことが多く、オフィス出社を前提とした場合の通勤が負担になることを理由に挙げています。
ニューヨークをめぐっては、不動産サービス大手が先月発表した報告書で、IT関連の人材総数が過去13年間で初めてサンフランシスコ・ベイエリアを上回ったとされています。金融機関がAI(人工知能)関連の人材を積極的に採用していることが背景にあるとみられています。
セコイア・キャピタルやアンドリーセン・ホロウィッツなどの他の大手ベンチャーキャピタルも、小規模ながらニューヨークに拠点を設けており、投資会社の東海岸への進出が今後さらに進むか注目されます。
