インドの通信・デジタルサービス大手ジオ・プラットフォームズは10月29日、株式市場への上場を果たし、初日の終値は公開価格を21%上回りました。同社はインド史上最大規模となる32億ドル(約4960億円)を調達しました。
ポイント
- 上場初日の株価は21%上昇し、時価総額は約12.5兆ルピー(約19兆3750億円)に
- IPOでは32億ドル(約4960億円)を調達、応募総額は770億ドル(約11兆9350億円)超
- 応募倍率は22.19倍で、インドのIPOとして過去最高の応募数を記録
- 調達資金の大半は通信子会社の債務返済に充当する方針
上場の詳細
ジオ・プラットフォームズの株価は公開価格の1119ルピー(約12ドル)に対し、1358ルピー(約14ドル)で取引を開始しました。この結果、時価総額は約12.5兆ルピー(約19兆3750億円)となり、親会社のリライアンス・インダストリーズ(約16兆ルピー、約24兆8000億円)に次ぐインド第2位の上場企業となりました。
2020年にメタやグーグルが出資した際の評価額は最大4.91兆ルピー(当時約65億ドル)でした。
IPOの応募状況
10月21日から22日まで実施された公募では、売り出し株式の22.19倍の応募がありました。応募者数は1380万人を超え、インドの株式公開として過去最高の応募数を記録しました。
これはインド最大の通信事業者に対する投資家の強い需要を反映しています。
ジオの成長と今後の展望
ジオは2016年、当時競争が激しかったインドの通信市場に無料データや低価格サービスで参入しました。これにより、バルティ・エアテルやボーダフォン・アイデア、国営BSNLなどの既存事業者から顧客を獲得し、現在ではインド最大の通信事業者となっています。
ジオ・プラットフォームズのマネージング・ディレクターを務めるアカシュ・アンバニ氏は上場記念式典で、同社のプラットフォームが5億4000万人以上の顧客にサービスを提供していると述べました。現在、ジオの価格は競合他社とほぼ同水準ですが、事業はブロードバンドやクラウドサービス、AIへと拡大しています。
アカシュ氏は、父のムケシュ・アンバニ氏がリライアンスの次世代リーダーに責任を移行する中で、ジオでより大きな役割を担っています。同氏は式典で、ジオをグローバルなテクノロジー企業にしたいと語りました。「いつか世界が偉大なテクノロジー企業を数えるとき、その一つがインドから生まれ、ジオ・プラットフォームズ・リミテッドと呼ばれることを夢見ている」と述べています。
業績と資金使途
2026年3月期通期のジオの売上高は1.47兆ルピー(約15.5億ドル)で、利益は3005億ルピー(約3.2億ドル)でした。いずれも前年比約15%増となっています。6月四半期では売上高が約12%増、利益が9%増となりました。
調達資金のうち最大2750億ルピー(約2.9億ドル)は通信子会社のリライアンス・ジオ・インフォコムの債務返済に充て、残りは一般事業目的に使用する計画です。6月30日時点のジオの借入総額は6137億ルピー(約6.5億ドル)でした。
投資家の動き
ジオは2020年の新型コロナウイルス感染拡大期間中、アメリカの投資家から数十億ドルを調達しました。当時フェイスブックとして知られていたメタが57億ドル、グーグルが45億ドルを投資しました。ゼネラル・アトランティックやシルバーレイク、ビスタ・エクイティ・パートナーズなども出資しています。
今回のIPOは新株発行のみで構成され、既存株主による売却はありませんでした。
