アメリカのスポーツ賭博アプリ大手「ファンデュエル」に対し、顧客らがギャンブル依存症を悪化させたとして訴えを起こしたと発表しました。原告側は、大リーグのスター選手による個人的なビデオメッセージが、高額な賭けを行うVIP顧客への特典として送られていたと指摘しています。
アメリカの地元メディアによりますと、ファンデュエルは高額な賭けを行う顧客に対し、専属のVIPマネージャーを配置して個人的な関係を築く戦略をとっています。原告の1人であるテリー・トンプソン氏は、2020年以降、同社のアプリで1850万ドル(約28億6800万円)を賭けていたということです。
訴状によりますと、トンプソン氏は自宅を担保に複数回の融資を受けた結果、自宅を差し押さえられ、ギャンブル依存症の精神科治療を受ける事態に陥ったとしています。スポーツ賭博の運営会社は、優良顧客に対してアメリカンフットボールの祭典「スーパーボウル」のチケットなどを提供することが一般的です。しかし、現役のスター選手が直接メッセージを送る事例は過去に確認されていないということです。
今回送られたのは、大リーグのフィラデルフィア・フィリーズに所属し、最優秀選手(MVP)に2度選出されたブライス・ハーパー選手からの21秒間のビデオメッセージです。ハーパー選手は動画内で直接ギャンブルを勧めてはいないものの、「ファンデュエルの担当者が特別な感謝祭を過ごしてほしいと願っている」と語りかけていたということです。
この問題は、プロスポーツ選手とギャンブルアプリの不透明な関係性に疑問を投げかけています。大リーグ機構(MLB)は選手の賭博行為を厳格に禁止する方針です。昨年には、八百長に関与した疑いで2名の投手が起訴されています。一方で、MLB自体はスポーツ賭博会社と広範な提携を結んでおり、球場や中継番組ではギャンブルアプリの広告が頻繁に流されているのが現状です。
