アメリカのトランプ政権高官が、大手金融機関の幹部らを招集し、アメリカのAI開発企業「アンソロピック」の新型モデル「Mythos」を使用してシステムの脆弱性を検出するよう促したと、アメリカのメディアが報じました。
アメリカの経済メディア、ブルームバーグによりますと、ベセント財務長官とFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は今週、金融機関の幹部らと会合を開きました。この中で、システムの脆弱性を発見するために「Mythos」を活用するよう求めたということです。
「Mythos」へのアクセス権を持つ初期パートナー企業として公表されているのはJPモルガン・チェースのみですが、ゴールドマン・サックスやシティグループ、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーなどもテストを行っているとされています。
アンソロピックは今週、この新型モデルを発表しましたが、当面は利用を制限する方針です。その理由として、サイバーセキュリティーに特化した学習を行っていないにもかかわらず、セキュリティー上の脆弱性を発見する能力が高すぎるためだとしています。一方で、これは話題作りや企業向けの販売戦略にすぎないという指摘も出ています。
今回の要請は、アンソロピックとトランプ政権が現在、法廷で争っている最中に行われたことから、異例の動きとして受け止められています。アメリカ国防総省は、同社をサプライチェーン上のリスクと認定しています。これは、政府によるAIモデルの利用制限を求めた同社との交渉が決裂したことを受けた措置だということです。
一方、イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズは、イギリスの金融規制当局も「Mythos」がもたらすリスクについて協議を進めていると報じています。
