アメリカのスタートアップ企業「ファスト・メタルズ(Fast Metals)」は、アルミニウムの精製過程で排出される廃棄物から、重要鉱物を効率的に抽出する新たな技術を開発し、およそ430万ドル(約6億6600万円)の資金調達を実施したと発表しました。
アルミニウムの精製過程では、「赤泥(せきでい)」と呼ばれる廃棄物が大量に発生し、現在、世界中で30億トン以上が野外に保管されています。赤泥には、主成分である酸化鉄のほか、チタンやアルミニウム、レアアース(希土類)などの重要鉱物が含まれています。しかし、酸化鉄からこれらの鉱物を分離するには多額の費用がかかるため、これまで資源としての活用は進んでいませんでした。
ファスト・メタルズの共同創業者でCEOを務めるスメド・ゴスツ氏らは、アルミナ精製所から排出される別の廃棄物を活用することで、抽出にかかるコストを大幅に削減する手法を開発したということです。この技術では、赤泥に廃棄物や化学物質を加え、6つの工程を経て複数の鉱物を分離します。
同社によりますと、抽出された鉄の販売利益で操業コストを賄い、その他の重要鉱物の販売が純利益になる仕組みだとしています。市場では、酸化チタンが1キログラムあたり2.50ドルから3ドル(約390円から465円)、酸化スカンジウムが約750ドル(約11万6000円)で取り引きされており、高い収益性が見込まれるということです。
今回の資金調達は、環境分野に投資する「ニュー・クライメート・ベンチャーズ」が主導し、大手資源会社「リオ・ティント」の関連組織なども参加しました。ファスト・メタルズは、調達した資金を活用して事業規模を拡大する方針です。今年後半には、鉱物処理会社の「メタロックス(Metalox)」と提携し、週に1トンの赤泥と精製廃棄物を処理する商業運転を開始するとしています。
