端末管理システムを提供するアメリカのフリート(Fleet)は、AI(人工知能)開発を手がけるアンスロピック(Anthropic)の限定アクセスプログラム「プロジェクト・グラスウィング」に参画したと発表しました。最先端のAIを活用し、端末管理システムや通信手順、および周辺インフラのセキュリティーをどのように強化できるか検証を進めるということです。
今回の取り組みは、サイバー空間における脅威の発生から、IT担当者が対応を完了するまでの「空白時間」を短縮することを主な目的としています。
フリートが独自に行った調査によりますと、攻撃者がわずか数時間でシステムの脆弱性を悪用しているにもかかわらず、全体の79%の組織が重要なセキュリティー更新プログラムの適用に1日以上を費やしていることが明らかになっています。同社はこの課題を解決するため、アンスロピックの最新AIモデル「クロード・ミトス・プレビュー」の早期アクセス権を活用する方針です。一般公開に先立ち、実際の端末管理の業務プロセスにおいて、新たなAI機能の有効性を検証するとしています。
エイブリッジ(Abridge)のITエンジニアであるゲイブ・チャン氏は、「AIを活用した今日のサイバー攻撃は非常に速く、組織が技術提供企業に求める水準は根本的に変化しました。フリートが自社のセキュリティー強化に向けた研究に投資し、その実践的な成果を顧客や業界に還元しようとしていることを心強く思います」とコメントしています。
今後の研究では、端末の状態の把握や、優先して対処すべき課題の特定、さらに社内のセキュリティー業務の迅速化と安全性向上に重点を置く方針です。また、フリートは自社のソフトウェアを無償で公開する「オープンソース」の形態をとっているため、今回の研究で得られた知見を広く公開するとしています。これにより、業界全体のセキュリティー向上に貢献したい考えです。
フリートの共同創業者でCEO(最高経営責任者)を務めるマイク・マクニール氏は、「IT担当者やセキュリティー担当者の業務負担を軽減する企業として、アンスロピックとの協業は大きな意義があります。最先端のAIが端末管理のセキュリティーをどう向上させるか、広く共有していきたい」としています。
