アメリカのIT大手などの著名な起業家が共同で設立したAI(人工知能)関連の新興企業「プレンティス(Prentis)」が、約155億円(1億ドル)の資金調達に向けた交渉を進めていることが明らかになりました。企業価値は約1550億円(10億ドル)と評価されているということです。
同社は今年4月に設立され、オフィスワーカーが文書やシステムを使って行う日常的な業務手順を学習するAIモデルを開発しています。コンピューターを自動で操作し、業務を代行する「AIエージェント」の構築を目指す方針です。
顧客のニーズに合わせたAIエージェントを開発し、保険金の請求処理や関税還付の例外処理などを、人間が書類を探すことなく自動化する技術の提供を予定しています。
関係者によりますと、同社はすでに医療機関や製造業などの複数の顧客と、最大で約77億5000万円(5000万ドル)規模の契約を結んでいるとしています。また、投資家向けの資料では、今年の第3四半期までに年間換算で約116億2500万円(7500万ドル)の収益を見込んでいるということです。ただし、この数値は実際の売上高ではなく、業務効率化によって削減されたコストの20%を報酬とする契約に基づいた推計値だとしています。
プレンティスは、自社開発のAIモデルが、コンピューター操作の性能評価において、競合他社のモデルを上回る成績を収めたと主張しています。同社の戦略的な強みは、より小規模で低コストなモデルを運用できる点にあるとしています。1つのタスクあたりのコストを既存の主要なAIの約10分の1に抑えることができ、日常的な業務に導入しやすい経済性をアピールしています。
同社は、日常的なオフィス業務の自動化が、今後のAI分野における最大の用途になると見込んでいます。一方で、この分野は競争が激化しています。オープンAIやアンスロピックなどの有力企業も、コンピューター操作を行うAIエージェントの開発を進めており、関連企業の買収や人材獲得の動きが活発になっています。
プレンティスの最高経営責任者(CEO)を務めるリタンカー・ダス氏は、AI企業を創設・運営する持ち株会社「タイタン」の創業者でもあります。タイタンはこれまでに、約155億円(1億ドル)を調達した医療系AI企業や、約85億2500万円(5500万ドル)を調達した自閉症ケアのスタートアップ企業などを立ち上げてきました。
また、共同創業者には、IT業界の著名な起業家が名を連ねています。「リンクトイン」の共同創業者であるリード・ホフマン氏や、大手ゲーム会社「ジンガ」の創業者であるマーク・ピンカス氏が参画しています。
同社のウェブサイトによりますと、プレンティスはすでに25人以上の従業員を雇用しており、オープンAIやグーグル・ディープマインド、メタなどの大手IT企業で経験を積んだ研究者らが集まっているということです。
