アメリカのIT大手「メタ」は、企業の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的な枠組み「RE100」から脱退したと発表しました。同社はAI=人工知能の開発に向けたデータセンターの電力需要が急増する中、天然ガス発電所の建設を加速させており、エネルギー戦略の転換が背景にあるとみられます。
メタの広報担当者は、10年間にわたり加盟していたRE100からの脱退を認め、双方の合意に基づくものだと説明しています。
RE100は、イギリスに本部を置く非営利団体「クライメイト・グループ」が運営するプロジェクトで、アップルやグーグル、マイクロソフトなど400社以上の企業が引き続き加盟しています。メタが脱退した具体的な理由は明らかにされていませんが、同団体が最近、再生可能エネルギー目標の進捗状況に関する報告基準を厳格化したことが影響した可能性があるということです。以前、メタはRE100に対し、「2020年までにすべての事業を再生可能エネルギーで運営する」と報告していました。
メタをはじめとするIT各社は、AIの普及に伴いデータセンター向けの膨大な電力を確保する必要に迫られています。メタは再生可能エネルギーの調達を続ける一方で、他の企業に比べて天然ガスへの依存を強める方針を示しています。
同社は去年6月、オハイオ州のデータセンター向けに200メガワットの天然ガス発電所を建設すると発表しました。さらにルイジアナ州では、大規模なデータセンターに電力を供給するため、合わせて10カ所、総出力7.5ギガワットに上る天然ガス発電所の建設に資金を提供する計画を明らかにしています。
メタは、「データセンターの電力使用量を100%クリーンかつ再生可能エネルギーで賄う」という目標を維持するとしています。これは、別の場所で発電された再生可能エネルギーの環境価値を証書として購入することで、自社の電力消費を相殺する仕組みを利用しているためだということです。
しかし、天然ガスは石炭に比べてクリーンであるものの、窒素酸化物などの汚染物質を排出し、健康被害をもたらす懸念が指摘されています。
他のIT大手も化石燃料関連のプロジェクトに投資していますが、マイクロソフトなどが時間単位での再生可能エネルギーの利用に移行しつつあるのに対し、メタの天然ガスへの大規模な投資は際立っています。業界団体からの脱退は、同社の化石燃料への依存拡大を浮き彫りにするものとして注目を集めています。
