AI(人工知能)モデルが生成したコンテンツに対し、人間の評価データを収集して提供するプラットフォーム「DesignArena(デザインアリーナ)」を運営するアメリカのスタートアップ企業「Intelligence(インテリジェンス)」は、シードラウンドで790万ドル(約12億2000万円)の資金調達を実施したと発表しました。
共同創業者であるグレース・リー氏によりますと、同社は大学の友人らとともにAIを活用したゲームエンジンの開発を試みたことがきっかけで設立されました。開発の過程で、AIは機能的なゲームを作成できるものの、「面白さ」を判断するためには人間の評価が不可欠であるという課題に直面したということです。
この課題を解決するため、大規模かつ正確な人間のフィードバックを得る仕組みとして「DesignArena」を開発しました。現在、このツールは世界中で530万人に利用されています。多くのAI開発企業がユーザーからのフィードバックを求めており、同社は最先端のAI研究所と大型契約を結ぶなど、急速に事業を拡大しています。
今回発表された790万ドル(約12億2000万円)の資金調達は、ベンチャーキャピタルのインデックス・ベンチャーズが主導し、複数の投資家が参加しました。
一般のユーザーは、指示文を入力し、ウェブサイトや画像などの形式を指定してAIに生成させます。その後、提示された複数の出力結果を比較し、優れている順にランク付けを行います。
一方、企業側は、自社のAIモデルをこのプラットフォームに参加させることで、生成されたデータに対する人間のリアルタイムな評価を継続的に得ることができます。ユーザーは純粋に最も優れた結果を求めて評価を行うため、企業にとって消費者の真のニーズを把握するための重要なデータになるとしています。
リー氏によりますと、同社の年間経常収益は現在6000万ドル(約93億円)に達しており、AI業界における人間主導の評価データの主要な提供元としての地位を確立する方針です。
また、ユーザーはログインして利用するため、地域や時間経過による好みの変化を追跡することも可能です。例えば、アジア地域のウェブデザインは、より多くの情報を詰め込む傾向があることが分かっているということです。こうした人間の評価データは、操作されやすい自動評価システムの欠点を補完する重要な役割を果たすとしています。
クラウドソーシングによる人間のフィードバック市場は競争が激化しています。同業の「Yupp」は3300万ドル(約51億1500万円)を調達し、130万人以上のユーザーを獲得したものの、持続的なビジネスモデルを構築できず事業を停止しました。
一方で、テキストベースの回答で同様の手法を取る「LM Arena」は、有料製品の提供開始からわずか4か月で1億5000万ドル(約232億5000万円)の資金調達に成功しており、人間の評価に基づくサービスを展開する新興企業の成長が続いているということです。
