アメリカの司法省がIT大手アップルを反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで提訴している裁判で、連邦裁判所は、14の政府機関に対してアップルへの関連文書の提出を命じた決定について、手続きを一時的に停止したと発表しました。
この裁判をめぐっては先月、審理の進行を補佐するホセ・リナレス判事がアップル側の主張を認め、14の連邦政府機関に対して関連文書の提出を命じていました。
アップルは、政府機関がスマートフォンの導入方針や調達を決定する際、プライバシーやセキュリティをどのように評価しているかを確認するため、これらの文書が必要だとしています。同社は、司法省が「反競争的である」と指摘する自社の仕様について、実際には正当な製品の差別化やセキュリティ保護を目的としたものであり、文書はその正当性を裏付ける証拠になるとしています。
文書提出を命じられた司法省は、決定の再考を求めましたが退けられたため、ジュリアン・ニールス連邦地方判事に不服を申し立てました。同時に、この申し立てが審理される間、文書提出の証拠開示手続きを一時停止するよう求めていました。
今回、リナレス判事は司法省の求めに応じ、手続きの一時停止を認める決定を下しました。判事は、司法省の不服申し立てが認められるハードルは高いとしながらも、仮に命令が覆された場合、14の政府機関に膨大な作業を強いることは「不公平である」と指摘しています。
また、手続きの停止によって文書の入手が遅れ、不利益を被るというアップル側の主張については退けました。証拠開示の手続きはまだ初期段階にあり、他の手続きは並行して進めることができるということです。
今回の決定により、アップルは司法省の不服申し立てに対する反論を行う機会が与えられます。その後、司法省が7日以内に答弁書を提出し、最終的にニールス連邦地方判事が文書提出命令の是非について判断を下す方針です。
