アメリカの監視技術会社「フロック・セーフティ」のギャレット・ラングレーCEOは、自社の監視カメラシステムに対する批判が高まる中、プライバシーの保護と安全確保の「妥協点」を見出す必要があるとの見解を明らかにしました。
ラングレーCEOは、アメリカのFOXニュースのインタビューに応じ、「プライバシーか安全のどちらか一方だけを重視するのは誤りであり、国として妥協点を優先しなければならない」と述べました。その上で、「いかにして安全を確保しつつ、プライバシーとのバランスを取るかが重要だ」としています。
同社が提供する監視カメラやドローン、ナンバープレート認識技術をめぐっては、悪用される懸念から市民の反発が広がっています。アメリカのワシントン・ポスト紙は最近、警察官がフロック社の技術を不正に利用し、配偶者や交際相手などをストーカーしていたとされる事例を46件確認したと報じました。
ラングレーCEOはCBSニュースのインタビューで、被害者の一人の話を聞いた後、「彼女がそのような経験をしたことに心を痛めており、謝罪する」と述べました。一方で、「警察による権力の乱用は当社が生み出したものではない。むしろ、当社はそれに光を当て、発見するためのツールを構築した初めての企業だ」と主張しています。
監視技術に対する懸念は、与野党の双方から高まっています。民主党のバーニー・サンダース上院議員が「AIによる大量監視を止めろ」とSNSに投稿したほか、共和党の下院議員3人は最近、連邦政府に対し、顔認識や生体認証、ナンバープレート認識を利用した自動監視システム(フロック社のカメラを含む)の購入を禁止する法案を提出しました。
こうした批判を受け、フロック社はシステムの運用方針を変更したと発表しました。データの初期保存期間を30日間から7日間に短縮したほか、データにアクセスする際には事件番号の入力を義務付けるとしています。
しかし、これらの制限は「証拠モード」と呼ばれる設定を使用することで解除でき、警察はより長期間データを保存することが可能だということです。アメリカ自由人権協会(ACLU)は、保存期間の短縮は正しい方向への一歩であると評価しつつも、「これが真の変革か、単なるPR戦略に過ぎないかは、証拠モードの運用実態にかかっている」と指摘しています。
ラングレーCEOは、フロック社のデータの違法な使用を犯罪とする法案を各州の規制当局が可決すべきだと主張しています。また、「現在、監視技術において規制や説明責任が存在しないことが多すぎる。これは間違っている」と述べ、法整備の必要性を訴えました。
ラングレーCEOは、10月に開催されるテクノロジー関連のイベントに登壇し、これらの課題についてさらに見解を示す予定です。
