アメリカ・ニューヨークに拠点を置く新興企業「Shade(シェード)」は、AI=人工知能を活用して動画などのメディアファイルを自然言語で検索できるクラウドストレージの開発に向けて、1400万ドル(約21億7000万円)の資金調達を実施したと発表しました。
クリエイティブやマーケティングの現場では、AIによるコンテンツ生成の普及に伴い、メディアファイルの数が急増しています。こうした中、目的のファイルを探し出す作業が複雑化しており、従来のクラウドストレージでは十分に対応できない課題が指摘されていました。
Shadeは、広告代理店やスポーツメディア、消費者向けブランドなどを対象に、メディアファイルの保存と検索を容易にするプラットフォームを開発しています。同社は今年3月、ベンチャーキャピタルの「Khosla Ventures」などが主導する資金調達ラウンドで1400万ドル(約21億7000万円)を調達したということです。これにより、創業から約4年間での累計調達額は2000万ドル(約31億円)に達しました。
同社の最高経営責任者を務めるブランドン・ファン氏らは、既存のツールにおけるファイル検索の使いにくさに不満を抱いたことをきっかけに、このシステムを開発したとしています。
Shadeのシステムには、主に2つの特徴があります。1つ目は、自動タグ付け機能による自然言語での検索です。例えば「雪の中でノートパソコンを持つ人」と入力すると、該当する動画の特定の場面をタイムスタンプ付きで抽出することができます。また、動画の自動文字起こし機能や顔認識技術も搭載されています。
2つ目は、ストリーミング形式のファイルシステムです。大容量のファイルであっても、完全にダウンロードされるのを待つことなく、クラウド上のストレージをローカル環境に接続して直ちに作業を始めることができるということです。
このほか、動画の特定の時間に対してコメントを残す機能や、アクセス権限の管理機能など、チームでの共同作業を支援する仕組みも備えています。小規模なチーム向けの利用料金は、1人当たり月額20ドル(約3100円)に設定されています。
出資を主導したKhosla Venturesの担当者は、「多くの企業が既存のストレージに検索機能を追加するにとどまる中、Shadeはストリーミングや検索、共同作業の機能を根本から構築し直しており、これが製品の強みになっている」と評価しています。
Shadeは今後、画像や文書など多様なファイル形式の検索精度を向上させる方針です。さらに、プログラミングの知識がなくてもファイルの処理を自動化できる機能を開発し、将来的には研究機関や投資チームなど、幅広い業種への展開を目指すとしています。
