アメリカで人工知能(AI)を活用した医療保険の仲介事業を展開するスタートアップ企業「コリドー(Corridor)」は、中小企業向けのサービスを構築するため、シードラウンドで2500万ドル(約38億7500万円)の資金調達を行ったと発表しました。
従来の保険仲介会社は、中小企業向けの契約が大企業と同じ手間がかかるにもかかわらず、得られる手数料が低いため、サービス提供に消極的だったということです。これに対し、同社はAI技術を活用することでこの課題の解決を目指す方針です。
具体的には、顧客対応を専門の担当者が行う一方で、AIが医師の保険ネットワークへの加入確認や予約手配、保険情報の更新といった煩雑な事務作業を裏側で処理する仕組みを構築しています。同社のニキル・アガルワルCEO(最高経営責任者)は、「私たちは、すべての従業員と経営陣にとって、医療に関するあらゆるサポートを提供するコンシェルジュのような存在です」としています。
今回の資金調達は、アメリカの投資会社ベインキャピタル・ベンチャーズが主導したということです。このほか、ボックスグループや、オープンAI、スケールAIなどの大手テクノロジー企業の幹部らも出資に参加しています。
同社が設立された背景には、共同創業者のジャクソン・ワーグナー氏自身の経験があります。ワーグナー氏は過去にランニング中の事故で慢性的な痛みを抱え、適切な医療ケアを受けられなかった経験から、医療アクセスの改善を目指して起業を決意したということです。その後、AI関連企業での経験を持つメンバーや投資家らと合流し、新会社の設立に至りました。
アメリカでは、中小企業の約8割が第4四半期(10月から12月)に医療保険プランを選択することから、同社は現在、この時期に向けた事業展開の準備を進めているとしています。
アガルワルCEOは、「アメリカで最も信頼される医療機関を築くことが私たちの目標です」としたうえで、企業や従業員に対する約束を確実に果たすことに注力していく考えを示しました。なお、この分野ではほかにも複数の新興企業が事業を展開しており、今後の市場動向が注目されるということです。
