アメリカのインフラ建設プロジェクト向けにAIを活用したコンプライアンス(法令順守)支援サービスを提供する新興企業「Dili」は、新たな資金調達ラウンドで1500万ドル(約23億2500万円)を調達したと発表しました。これまでの調達額と合わせ、総額は2170万ドル(約33億6000万円)に達したということです。
今回のシリーズAと呼ばれる資金調達は、アメリカのベンチャーキャピタル「コースラ・ベンチャーズ」が主導し、保険大手アリアンツなども参加しました。Diliは、これに先立つシードラウンドですでに670万ドル(約10億3800万円)を調達していました。
AIを活用したコンプライアンス支援は多くの新興企業が手がけていますが、Diliは連邦政府の資金提供を受ける建設プロジェクトなど、特有の複雑な規制への対応に特化しています。
共同創業者でCEOのアナンド・チャトゥルヴェディ氏によりますと、アメリカの労働省が公共工事の賃金を定める法律や、インフレ抑制法に基づくクリーンエネルギー事業の規則など、インフラ建設には複雑な要件が重なり合っているということです。
チャトゥルヴェディ氏は「法令違反は数百万ドル(数億円)規模の罰金につながるおそれがあります。一部のデータを抽出するだけでなく、すべての情報を確認できるシステムは非常に有効です」としています。
また、AIの信頼性について同社は、最新のAIモデルを非構造化文書のデータ化にのみ使用し、法令との照合にはあらかじめ定められた確実なシステムを用いる方針です。これにより、これまで1日かかっていた作業が数分で完了するとしています。
同社のシステムはすでに、製造施設やデータセンターなどおよそ700のプロジェクトで導入されています。
現在は、顧客の半数が自社のソフトウェアとして利用し、残りの半数がコンプライアンス業務全体をDiliに委託しているということです。チャトゥルヴェディ氏は、AIの発展に伴い、今後はソフトウェアとして自社で運用する企業がさらに増えると予想しています。
