アメリカのIT専門メディアは、オープンソースのAIエージェント「OpenClaw」などを活用し、SNSでの出会いやデートの計画といった個人的なやり取りを自動化する動きが広がっていると発表しました。一方で、専門家からはプライバシーやセキュリティのリスクを懸念する声も上がっているということです。
コンテンツクリエイターでスタートアップ創業者のベン・ゲズ氏は、AIを活用してSNS上で多くの女性からメッセージを受け取る仕組みを構築したと明らかにしました。ゲズ氏は「OpenClaw」やAIモデルの「Claude」などを組み合わせた自動化プログラムを作成したということです。
ゲズ氏は、AIエージェントを使用してサッカー・ワールドカップの試合結果を追跡しています。試合後、AIが自動的に敗戦国の女性ファンを慰める内容の短い動画を作成し、画像共有アプリ「インスタグラム」に投稿する仕組みだということです。国名を変えただけの同じ内容の投稿が繰り返されていますが、プロフィール画面には表示されない仕様を利用しているため、閲覧者には気づかれにくいとしています。
この自動化システムを導入して以降、動画は数日間で100万回以上再生され、200件以上のメッセージが寄せられたということです。さらに、メッセージの返信には自身が開発した語学学習アプリのダウンロードを条件としており、自社の事業拡大にもつなげる戦略をとっているとしています。相手の女性が事実を知った場合の反応について、ゲズ氏は「自分が何をしているか公開している限り、問題はないと考えている」と話しています。
AIを出会いの効率化に利用する動きはほかにも見られます。IT関連のPR会社を創業したジェフ・ワイスベイン氏は、デートの場所や飲食店の調査に「OpenClaw」を活用しているということです。ワイスベイン氏は「AIに調査を任せ、デートの目的に応じた候補地のリストを作成させている」と述べています。一方で、実際の会話やコミュニケーションをAIに委ねることについては「関係性を築くうえで不適切だ」として、否定的な考えを示しました。
また、IT企業に勤める女性は、交際を断る際のメッセージ作成にAIを活用していると明らかにしました。この女性は、デートの状況に関するいくつかのキーワードを入力するだけで、AIが断りの文章を自動生成し、送信時間をランダムに設定して送るシステムを構築したということです。これにより、連絡を絶つ際の心理的な負担を軽減できたとしています。
このようにAIの活用が広がる一方で、セキュリティの専門家は、AIアシスタントにすべてのアカウントの制御を委ねることの危険性に警鐘を鳴らしています。
セキュリティに特化した代替ツール「NanoClaw」の共同創業者であるレーザー・コーエン氏は、個人的な人間関係の管理をAIにアウトソーシングすることには重大なプライバシーのリスクが伴うと指摘しています。コーエン氏は「AIエージェントに個人情報やアカウントへのアクセス権を与える場合は、必ず人間の承認プロセスを設ける必要がある」と強調しています。そのうえで、自身はAIを家族のスケジュール管理など、より安全な用途に限定して利用する方針だと述べました。
