アメリカの連邦安全規制当局は、ウェイモのロボタクシーが停止中のスクールバスを追い越した件について調査を開始したと発表しました。ウェイモの自動運転車両が、アトランタで子どもを降ろしているスクールバスの周りを走行する映像が確認されたことがきっかけです。
アメリカ国家道路交通安全局(NHTSA)の欠陥調査局(ODI)は、ウェイモの自動運転ソフトウェアが停止中のスクールバスに対してどのように対応するのか、その性能やバスに関する規則への適合性を調査する方針です。NHTSAは、これまでのウェイモとのやり取りに基づき、同様の事例が他にも発生している可能性が高いとしています。
問題のロボタクシーは、スクールバスの右側から直角に交差し、バスの前を左に曲がって通過しました。ウェイモによれば、バスがロボタクシーの進路を部分的に遮っており、点滅する赤いライトや停止サインが見えなかったとしています。ただし、バスから降りる子どもたちやバスの制御アームが見えていたかどうかについては、明確な回答はありませんでした。
ウェイモは声明で、「安全性は最優先事項であり、アメリカの最も困難な運転環境で毎週数十万回の完全自動運転の有料運行を行っています」と述べ、NHTSAとの協力を続ける方針を示しました。また、同社は月曜日に、車両の性能を向上させるためのソフトウェアアップデートを既に実施したと発表しました。
今年はウェイモにとって拡大の年となっています。同社はアトランタでの運行を開始し、オースティンやシリコンバレー、ニューヨーク市などでのテストを進めています。さらに、サンノゼやサンフランシスコの空港でも試験運行を行っており、2026年までにさらに多くの都市での展開を予定しています。
新しい都市での運行開始にあたっては、自動運転システムが新たな状況に遭遇し学習するプロセスが含まれますが、アトランタがウェイモのロボタクシーが初めてスクールバスを目にした場所ではないと考えられます。
NHTSAがウェイモの自動運転車両に対する調査を開始したのは今回が初めてではありません。2023年には、低速状況でのゲートやチェーンなどの障害物に対する問題が報告され、調査が行われました。この調査は最終的に5月にリコールに繋がり、ウェイモはソフトウェアのアップデートで対応しました。昨年も、ウェイモ車両が誤った車線に進入したり、工事区域に入ったりする報告に基づく調査が行われました。
