アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置くベンチャーキャピタルのエクリプスは、現実世界で機能するAI=「フィジカルAI」のスタートアップ企業を支援・育成するため、総額13億ドル(約2015億円)の新たなファンドを設立したと発表しました。
同社は近年、電動ボート開発の「アーク」や、バッテリーリサイクルの「レッドウッド・マテリアルズ」、自動運転の建設機械を手がける「ベッドロック・ロボティクス」、自動運転技術の「ウェイブ」など、現実世界に物理的な影響を与える技術への投資を拡大しています。
今回設立された13億ドル(約2015億円)の資金は、創業初期の企業を育成する5億9100万ドル(約916億円)のファンドと、成長段階にある企業を対象としたファンドに分けられるということです。
エクリプスのパートナーであるジテン・ベール氏は、インターネットやモバイル、SNSに続く新たな技術革新の波が来ていると指摘しています。「これまで画面の中にあった技術が現実世界へと移行し、高度なAIが現実の課題を物理的に解決する時代になる」としています。
同社によりますと、こうした「フィジカルAI」の普及は、人材や技術の進歩、市場の需要、そして各国の政策が重なり合うことで加速しているということです。ベール氏は「豊富な資金を活用し、市場に大きな影響を与え、企業の成長段階に応じた適切な支援を行っていく」と述べています。
エクリプスの投資戦略の特徴は、交通、エネルギー、インフラ、コンピューター、国防など幅広い分野に投資し、支援先企業同士が連携するエコシステム(生態系)を構築する点にあります。企業同士が早期に協力して事業規模を拡大し、実績を作ることで、新たな需要を開拓できるとしています。
さらに、同社は単なる資金提供にとどまらず、新たなファンドを通じて自社内でスタートアップ企業を立ち上げる方針です。すでに複数のプロジェクトが進行中だということです。
ベール氏は今後の展望について、「異なる分野をどのようにつなぎ、規模を拡大していくかが重要になる。分野横断的にデータを活用し、より高度なAIモデルを構築していく」と述べ、企業間のデータ連携による競争力の強化を目指す考えを示しました。
