AIを活用した会議の文字起こしサービスを提供するアメリカの「Otter(オッター)」は、利用者が企業内のさまざまなツールを横断してデータを検索できる新たな機能を導入したと発表しました。
AIによる文字起こしアプリを提供する各社は、単なる文字起こしや要約の提供だけでは事業を成長させることが難しくなっているとしています。このため、さまざまな情報源からデータを集約し、検索や意思決定を行える総合的な作業環境への移行を目指す方針です。
Otterは今回、「モデル・コンテキスト・プロトコル(MCP)」と呼ばれる共通規格を活用し、外部のアプリケーションやサービスからデータを取得できる企業向けの検索機能の提供を始めました。
Otterはこれまで10年近くサービスを提供してきましたが、ここ数か月で企業向けの生産性向上ツールへの転換を図っています。今回の新機能により、利用者は「Gmail」や「Googleドライブ」、「Notion」などのアカウントを接続し、既存の会議データとともに情報を検索できるようになるということです。さらに、会議の要約をNotionに送信したり、Gmailの文面を作成したりすることも可能としています。今後は、マイクロソフトの「Outlook」や「Teams」などとの連携も進める方針です。
また、AIアシスタントの画面設計も見直し、利用者がいつでも質問できるようにしたということです。アシスタントは特定の会議などの文脈を理解し、状況に応じた回答を行うとしています。
一方、文字起こしアプリの業界では、AIのボットを会議に参加させず、端末の音声システムを使って録音する機能が広がりつつあります。Otterは、昨年末にMac向けのアプリでこの機能を導入したのに続き、Windows向けのアプリでも同様の機能の提供を始めるとしています。
ボットを会議に参加させる形式については議論がありますが、Otterのサム・リアンCEOは、法人顧客は透明性の観点からボットが参加する形式を好む傾向があるとしています。また、1つの会議に複数のボットが同時に参加することを防ぐ機能も備えているということです。
Otterは昨年、利用者が2500万人に達し、年間経常収益が1億ドル(約155億円)になったと発表していました。最新の業績は明らかにしていませんが、現在の利用者数は3500万人に上るとしています。
