対話型のAIサービスを展開するアメリカの「キャラクターAI(Character.AI)」は、独自のAIキャラクターを活用したショートドラマの制作に参入したと発表しました。
近年、人々の関心を集める市場において、短い時間で楽しめるショートドラマが急速に普及しています。専用アプリだけでなく、SNS大手のTikTokやインスタグラム、さらに動画配信サービスのAmazonプライムやインドのJioHotstarなどもこの分野に参入し、市場が拡大しています。
キャラクターAIは、この成長市場に向けて独自のショートドラマを制作する方針です。同社の強みである対話型AIを活用し、18歳以上のユーザーがドラマの登場人物と直接チャットで会話したり、質問したりできる機能を提供するということです。さらに、ユーザー自身が異なるストーリー展開をロールプレイ(疑似体験)することも可能だとしています。
サービス開始にあたり、3つの作品が公開されます。恋愛ドラマの「ラスト・サマー」、ホラー作品の「ザ・ナイトタイム・ゲーム」、そしてサバイバルドラマの「エデン・フォール」の3作品です。
会社側によりますと、これらのドラマはAIの制作ツールを使用して作られたということです。長期的には、ユーザー自身がオリジナルのキャラクターやドラマシリーズを制作できる環境を整える方針を示しています。
会社の担当者はメディアの取材に対し、「まずは自社の制作チームが主導してフォーマットを開発し、視聴者のニーズを把握します。将来的にはそのノウハウをクリエイター向けのツールとして提供し、ユーザーが世界に向けて独自の作品を発信できるようにすることが目標です」と述べています。
同社は去年からエンターテインメント分野への注力を進めており、今回の取り組みもその一環です。ことし4月には、キャラクターが参照できる世界観を設定するツール「ロアブック(Lorebook)」の概要を公開しました。また、古典文学の世界にユーザー自身が入り込んだり、登場人物としてロールプレイしたりできる機能も提供しています。
さらに、音声シリーズを制作できる「c.ai FM」や、小説を創作できる「c.ai Reads」といった新機能のテストも行っているということです。このうち音声機能については、現在一部のユーザー向けに実験的に提供されており、プロの作家が連続音声ドラマの制作に活用しているとしています。
調査会社「センサータワー」によりますと、2026年上半期において、ユーザーがキャラクターAIを利用する時間は1か月あたり平均950分を超えているということです。同社は、こうした新しいエンターテインメントの形に対する需要は確実に存在しているとみています。
