フィンテック企業クラーナは、ニューヨーク証券取引所でのIPOを成功させ、既存の投資家向けに約1500億円(1.4億ドル)を調達したと発表しました。
クラーナは、1株当たり40ドルで株式を販売し、15億ドル(約2兆3250億円)の評価額で取引を開始しました。株価は52ドルで始まりましたが、昼頃には46ドル前後に落ち着きました。
クラーナが販売した3430万株のうち、会社自身が販売したのは500万株に過ぎないということです。残りは、最大の株主であるセコイアキャピタルをはじめとする既存の投資家が販売しました。デンマークの億万長者アンダース・ホルチ・ポウルセン氏が管理する企業やシルバーレイク、ブラックロックなども株を売却しましたが、いずれも大部分の持ち株を維持しています。
クラーナの共同創設者でCEOのセバスチャン・シエミアトコウスキー氏は、株を売却していないとしています。彼の持ち株はIPOの販売価格で約1,580億円(1.02億ドル)相当で、会社の約7.5%を所有しています。
2012年に会社を去った共同創設者ヴィクター・ヤコブソン氏は株を売却しましたが、それでも8%以上の持ち株を保持しています。共同創設者のニクラス・アダルバース氏は、約300万株を所有しているとされています。
セコイアキャピタルはクラーナの最大の投資家で、約23%を所有しています。セコイアの代表としてマイケル・モリッツ氏が2010年に最初の投資を行い、2023年にセコイアを退社した後もクラーナの会長を務めていました。その後、セコイアのアンドリュー・リード氏が2024年に取締役会に加わることで調整が行われました。
シエミアトコウスキー氏は、「ニューヨークでの上場は大きな出来事であり、ストックホルムからの夢追い人たちが世界に挑戦し、成功を収めた証です」と述べています。
なお、1.4億ドルは2025年の最大IPO記録ではなく、同年6月に1.5億ドル(約1,650億円)を調達したCoreWeaveがその記録を保持しています。