アメリカのスタートアップ企業で、AIを活用した保険サービスなどを展開する「コーギー(Corgi)」が、新たな資金調達を実施したと報じられました。企業評価額は40億ドル(約6,200億円)に達したとみられ、わずか8週間のうちに3回目となる異例のペースでの資金調達だということです。
アメリカの経済誌フォーブスの報道によりますと、今回の資金調達はシリーズBの2回目の追加ラウンドとして、すでに完了しているということです。コーギーは今年5月末に、企業評価額26億ドル(約4,030億円)で1億600万ドル(約164億円)を調達したと発表したばかりでした。
AI関連企業への投資が過熱する中、短期間で評価額を上げながら資金調達を繰り返すスタートアップは少なくありませんが、コーギーのペースは際立っているとされています。
同社は今年1月にシリーズAラウンドで1億800万ドル(約167億円)を調達しました。当時の評価額は非公開ですが、調査会社は約977億円と推定しています。その4か月後の5月上旬には、評価額13億ドル(約2,015億円)で1億6000万ドル(約248億円)を調達しました。さらにそのわずか3週間後には、同じ投資家から評価額26億ドル(約4,030億円)で1億600万ドル(約164億円)の追加調達を発表していました。
関係者によりますと、それから8週間が経過した現在、さらに追加の資金調達が行われたということです。フォーブスは今回の具体的な調達額を報じておらず、会社側もコメントを控えています。
評価額が急上昇している背景には、同社の急速な収益の伸びがあるとしています。7か月前のシリーズAの時点で、創業者は年換算の収益がすでに4000万ドル(約62億円)に達していると述べていました。関係者によりますと、今年末までには4億5000万ドル(約698億円)に達する見込みだということです。
コーギーは、AIを活用して見積もりや保険金の支払いを迅速化する保険サービスを提供しています。スタートアップ企業向けに、一般的な賠償責任保険や技術関連のトラブル、雇用に関する賠償責任保険のほか、テナント保険や自動車保険などを展開する方針です。
同社は、「リスク保有グループ(RRG)」と呼ばれる、同業種や類似のリスクを抱える企業が共同で資金を出し合う自己保険の仕組みを採用しています。この仕組みは一般的な保険会社とは異なる規制が適用されますが、州の保証基金による裏付けがないため、大規模な保険金の支払いが発生した場合、資金が枯渇して破綻するリスクもあります。そのため、同社が資金基盤の強化を急いでいるとみられます。
さらに、同社は事業の多角化を進めています。保険事業に加えてデータルームソフトウェアの提供を開始したほか、サンフランシスコとアトランタで24時間営業のコーヒーショップも運営しています。今後はニューヨークやロンドンなど、新たに5店舗を出店する計画としており、実店舗の展開にも多額の資金が必要になるということです。
一方で、同社をめぐっては、最高経営責任者(CEO)のニコ・ラクア氏が従業員に対して週7日の勤務を求めていると発言するなど、シリコンバレーの中でも非常に厳しい企業文化を持つことでも知られています。
