顧客エンゲージメントプラットフォームを提供するMoEngageは、既存の投資家であるゴールドマン・サックス・オルタナティブズが主導する新たな資金調達を発表しました。これにより、グローバルな成長を加速し、プラットフォームにAI技術をさらに導入する方針です。
MoEngageは、シリーズFラウンドで約155億円(1億ドル)を調達しました。このラウンドでは、株式の約60%がプライマリー、40%がセカンダリーとして取引されました。また、インドのベンチャー企業A91パートナーズが新たな投資家として参加し、ゴールドマン・サックスと共にラウンドを共同主導しました。MoEngageによると、これまでに約387億円(2億5000万ドル)の資金を調達しています。
消費者ブランドがデジタルチャネルを通じて顧客にアプローチすることが増える中、顧客データを活用したより個別化されたマーケティングが求められています。これに対応するため、企業はAI駆動のツールを求めており、MoEngageは「Merlin AI」スイートを通じてこの分野に参入しています。
MoEngageの共同創設者兼CEOであるラヴィテジャ・ドッダ氏は、「B2Cブランドが顧客とのエンゲージメントをより効果的に行えるよう支援しています」と述べています。
設立から11年のMoEngageは、最初の7年間をインドと東南アジアに集中していましたが、ここ4年間で北米を中心に新市場へと拡大しました。現在、北米は同社の収益の30%以上を占めています。
ゴールドマン・サックスの支援により、MoEngageはグローバルな存在感をさらに強化する方針です。同社は2022年6月にも、Bキャピタルと共にシリーズEラウンドで約119億円(7700万ドル)を共同主導しました。
過去2〜3年間で、MoEngageは生成AIや意思決定AIの能力に大きく投資してきました。これらの努力は「Merlin AI」スイートに反映されており、マーケティングのユースケースに対応したAIエージェントを含んでいます。
現在、MoEngageは世界中の1350以上の消費者ブランドにサービスを提供しており、SoundCloudやMcAfee、Kayak、Domino's、Deutsche Telekom、Travelodgeなどが含まれます。これらのブランドの一部は、以前はAdobeやOracle、Salesforceのマーケティングプラットフォームを使用していましたが、MoEngageに切り替えた企業も300社以上あります。
MoEngageはIPO準備を進めており、今後数年以内に上場を目指す方針です。
