アメリカの宇宙開発企業「スペースX」は、今年に入ってから電気自動車大手「テスラ」の大型蓄電池「メガパック」を3億2900万ドル(およそ510億円)分、購入したと発表しました。
決算報告によりますと、第2四半期だけで2億9500万ドル(およそ457億円)を蓄電池に投じたということです。この動きは、イーロン・マスク氏が率いる企業群の結びつきの強さを示すものとして注目されています。マスク氏はスペースXの最高経営責任者(CEO)であり筆頭株主であると同時に、テスラの経営も担っています。また、マスク氏が設立した人工知能(AI)開発企業「エックスエーアイ」は2025年にSNSプラットフォームの「X」を買収し、さらに今年に入り、スペースXが同社を吸収合併したということです。
今回購入された産業用の大型蓄電池は、AI開発向けのデータセンターに導入される可能性が高いとみられています。同社はスペースXとの合併前にも、データセンター向けに4億3000万ドル(およそ667億円)分のメガパックを購入していました。今年の第1四半期における購入額は3400万ドル(およそ53億円)にとどまっていました。また、規制当局への提出書類によりますと、スペースXは2025年12月時点で、テスラの電動ピックアップトラック「サイバートラック」をメーカー希望小売価格で1億3100万ドル(およそ203億円)分購入したことも報告しています。
AI開発部門はこれまで、データセンターの電力源として天然ガスに大きく依存してきました。ミシシッピ州にあるデータセンターの近郊では、無許可のガスタービンが多数設置されていることも明らかになっています。しかし、メガパックのような大型蓄電池も、データセンターの運営において極めて重要な役割を担うとしています。
蓄電池は、1秒以内で稼働できる強力なバックアップ電源となるほか、画像処理半導体などの需要が高まった際に電力を補完する機能を持っています。AI向けのデータセンターは、常に一定の電力を消費するわけではありません。AIモデルの学習や推論の実行状況に応じて、電力需要が大きく変動するためです。
こうした電力需要のピーク時には、電力会社からの高額な請求が発生したり、施設内の発電機に過度な負荷がかかったりするおそれがあります。スペースXは蓄電池を活用することで、電力消費の変動を平準化し、コストを削減しながらデータセンターを安定的に稼働させる方針です。
