イーロン・マスク氏は、週末にテスラがAIトレーニング用のスーパーコンピュータ「Dojo」プロジェクトを終了したと発表しました。これは、2026年に「Dojo 2」が本格稼働するとの発表から数週間後のことです。
マスク氏は自身が所有するソーシャルメディアプラットフォーム「X」で、「すべての道がAI6に収束することが明らかになったため、Dojoを終了し、厳しい人事決定を行わざるを得なかった。Dojo 2は進化の行き止まりである」と述べました。また、AI6のシステムオンチップを多数搭載した新たな形態として「Dojo 3」が存続するとしています。
テスラは最初のDojoスーパーコンピュータを、NvidiaのGPUと自社製のD1チップを組み合わせて稼働させていました。次に、D2チップを搭載した「Dojo 2」と呼ばれる第二の工場を建設する計画でしたが、D2チップの開発は中止され、Dojoプロジェクト全体も終了したということです。
テスラは今後、AI5とAI6チップに注力する方針です。AI5チップは主にテスラの運転支援システム「FSD」に使用され、AI6は自動運転車やヒューマノイドロボットの自律機能、さらに大規模なAIトレーニングに対応するとしています。これらのチップはそれぞれTSMCとサムスンによって製造される予定です。
マスク氏は、「テスラがリソースを分散して異なるAIチップ設計をスケールするのは合理的ではない」と述べ、AI5とAI6チップに注力する意向を示しました。また、スーパーコンピュータクラスターでは、AI5やAI6チップを多数搭載することで、ネットワーク配線の複雑さとコストを大幅に削減できるとしています。
マスク氏は2019年からDojoについて言及しており、テスラの完全自動運転とヒューマノイドロボットの商業化の基盤となると繰り返し述べていました。しかし、2024年8月頃からは「Cortex」と呼ばれる新たなAIトレーニングスーパーコンピュータに注目が移りました。
Cortexが現在も進行中かどうかは不明です。テスラがニューヨーク州バッファローに建設したDojo施設に500億円(約775億円)を投資したことについても、テスラに確認を求めています。
この戦略の転換は、テスラが電気自動車の販売減少とブランドイメージの低下に直面している時期に行われました。マスク氏は、オースティンでのロボタクシーの遅れた限定的なローンチにもかかわらず、テスラが自律性において未来を持っていると投資家を説得しようとしています。
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