フランスのフィンテック企業Qontoは、顧客数が60万人に達したと発表し、フランスでの銀行免許申請を行ったことを明らかにしました。QontoのCEOであるアレクサンドル・プロット氏が発表しました。
Qontoは現在、2018年に取得した決済機関のライセンスを持ち、ヨーロッパのフリーランスや中小企業を対象にサービスを提供しています。このライセンスにより、すでに「今買って、後で払う」(BNPL)の形態を導入しています。しかし、信用機関のライセンスを取得することで、融資や貯蓄、投資の選択肢をより広げることが可能となるということです。
現在のライセンスはEU全域で有効であり、Qontoはすでにいくつかのヨーロッパ市場に進出していますが、2030年までに200万人の顧客を目指す上で、信用ライセンスの欠如が障害となっています。
Qontoの競合他社であるフィンテック企業は、異なる方法でこの問題に取り組んでいます。例えば、Memo Bankは設立当初から銀行として中小企業向けの融資を提供していますが、これは例外的なケースです。また、Finomは電子マネー機関のライセンスを持ち、最近になって融資のテストを開始しています。Revolutはリトアニアの完全なライセンスを持っていますが、BNPL以外のクレジットオプションはまだ展開されていません。
Qontoのプロット氏は、競合他社については言及せず、2023年に予定より早く利益を達成したことがタイミングの理由だと述べています。Qontoは2022年に5億5,200万ドル(約8,500億円)の資金調達を行い、5億ドルの評価を受けました。
Qontoは、設立以来8年間で2回の買収を行っています。2022年にはドイツの競合Pentaを買収し、2024年には会計および金融自動化プラットフォームのRegateを買収しました。
Qontoはフランスに次いでドイツを最大の市場とし、スペインやイタリアが続きます。オーストリア、ベルギー、オランダ、ポルトガルにも進出しています。
Qontoは「ペイ・レイター」サービスを通じて、すでに5,000万ユーロ(約82億5,000万円)の融資を行っており、これは顧客のクレジット需要を裏付けるものです。
Qontoはフランスの銀行監督機関と密接に協力しながら、免許取得を目指しており、これが将来的なIPOの基盤を築く一助となるとしています。