アメリカのIT大手「メタ(Meta)」は、AI=人工知能を搭載したスマートグラスについて、録画中であることを示すLEDライトが不正に改造された場合、カメラの機能を無効化する新たな安全対策を導入したと発表しました。
メタが提供するAIスマートグラスをめぐっては、監視デバイスのように悪用されるのではないかという消費者の懸念が高まっていました。今回の対策は、こうしたプライバシーへの不安に配慮したものとみられています。
同社によりますと、これまでにもLEDライトをテープで隠して録画するケースが確認されており、ライトが塞がれた場合には録画できないよう技術的な修正を行ってきたということです。しかし、ライトそのものを物理的に破壊するなど、同意なしに撮影しようとする悪質な手口が後を絶たないため、さらなる対策に踏み切ったとしています。
一方で、メタは利用者のプライバシー保護を強調する半面、個人データの収集を拡大するような製品や機能の開発も進めていると指摘されています。
イギリスの経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は、メタが「数秒ごとに写真を撮影し、継続的に音声を収集する」新たなAIグラスの試作機をテストしていると報じました。また、同社のプライバシーポリシーでは、利用者がAI機能を利用する際、オプトアウト(情報の提供を拒否する手続き)を行わない限り、投稿された画像などがAIの学習データとして使用される可能性があるとしています。
メタは過去にも、個人情報の流出問題などで厳しい批判を浴びており、2019年以降はプライバシー保護の強化に多額の投資を行ってきたと説明しています。
しかし、新たな安全対策を発表したのと同じ日に、公開されているインスタグラムの写真をAIによる画像生成に利用できる機能を発表するなど、データの活用を積極的に推し進める方針を示しています。
専門家からは、スマートグラスの安全対策は必要な措置であるものの、同社の広範なAI戦略において、利用者の画像やデータがどのように扱われるのか、依然として不透明な部分が多いという指摘が出ています。
