アメリカのIT大手メタは、傘下の対話アプリ「ワッツアップ(WhatsApp)」の新たなトップに、インドの金融IT企業「CRED」の創業者であるクナル・シャー氏を起用したと発表しました。
これに合わせて、メタはCREDに対して9億ドル(約1395億円)の出資を主導したということです。この取り引きにより、メタはCREDの少数株主となります。シャー氏はCREDの最高経営責任者(CEO)を退任しますが、個人の株式は引き続き保有するとしています。
ワッツアップのトップを約7年間にわたって務めてきたウィル・キャスカート氏は退任し、メタ社内で新たな製品開発の役職に就く方針です。キャスカート氏の主導のもと、ワッツアップはコミュニティ機能やAIの統合などを進め、世界で30億人以上が利用するアプリへと成長しました。
ワッツアップにとってインドは最大の市場であり、世界の利用者のうち5億人以上を占めています。メタは、今後の成長の鍵となる企業向けメッセージ配信やデジタル決済の分野において、インドを最重要拠点と位置づけています。
一方で、ワッツアップがインドで展開するデジタル決済サービスは、現地の競合他社や「Google Pay」などに後れを取っており、市場開拓の余地が大きく残されています。メタのマーク・ザッカーバーグCEOは声明で、「シャー氏は世界最大のメッセージアプリを運営する上で必要な、構築者の視点とグローバルな視野をもたらしてくれる」と述べ、同氏の経験が新たな成長につながるという期待を示しました。
シャー氏が2018年に創業したCREDは、月に1700万人が利用する金融プラットフォームです。今回の出資により、CREDの企業価値は約45億ドル(約6975億円)と評価されました。同社は2025年5月の資金調達で約36億ドル(約5580億円)、2022年のピーク時には約64億ドル(約9920億円)の評価を受けており、これまでに10億ドル(約1550億円)以上の資金を集めています。
CREDの暫定CEOには、2020年から戦略・財務を担当してきたミテン・サンパット氏が即時就任します。CREDは将来の新規株式公開(IPO)に向けた長期的な経営体制の構築を進めており、今回調達した資金を決済や融資、保険などの事業拡大に充てる方針です。
