電動キックボードなどのシェアリングサービスを展開するアメリカの企業「Lime(ライム)」は、アメリカのナスダック市場に株式を上場し、新規株式公開(IPO)によって1億6700万ドル(約259億円)の資金を調達したと発表しました。
同社は、配車サービス大手ウーバーの支援を受けており、今回、公開価格の仮条件である24ドルから26ドル(約3,720円から約4,030円)の中間となる1株25ドル(約3,875円)で、668万株を販売しました。株式は水曜日の午後にナスダック市場でティッカーシンボル「LIME」として取引が始まり、最初の1時間で約9%上昇したということです。
Limeは数年前から上場を検討してきました。2021年に5億2300万ドル(約811億円)の資金調達を行った際、ウェイン・ティングCEOは翌年の上場を視野に入れていると述べていました。2023年にも、適切な市場環境を待つ姿勢を示していました。
今回の上場により、同社の企業価値は約16億6000万ドル(約2,573億円)と評価されています。これは、同業の「Bird(バード)」が2021年に特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場した際の評価額をわずかに下回る水準です。
一方で、同社は多額の資金を必要としています。今年5月に提出された上場申請書類では、事業の継続に「重大な疑義」があると表明していました。約10億ドル(約1,550億円)に上る負債の支払いに上場で得た資金を充てる方針で、その半分以上は今年末が期限となっています。上場できなければ、別の資金調達手段を探す必要があったとしています。
マイクロモビリティ業界は近年、厳しい経営環境に直面しています。競合のBirdが上場後に破産保護を申請して経営再建に追い込まれたほか、他の企業でも合併や主要市場からの上場廃止、事業撤退などが相次いでいます。
こうした中、Limeは売上高を伸ばしています。売上高は2023年に5億2100万ドル(約808億円)、2024年に6億8660万ドル(約1,064億円)、直近の期間では8億8670万ドル(約1,374億円)に達したということです。また、純損失は2023年の1億2230万ドル(約190億円)から、2024年には3390万ドル(約53億円)に縮小しましたが、2025年には再び5930万ドル(約92億円)に拡大しています。
この成長は、世界規模での事業拡大が主な要因としています。現在、同社は世界29か国の230都市でサービスを展開しています。一方で、株式の24%を保有するウーバーへの依存度も高く、昨年の売上高の14%以上をウーバーのアプリ経由での利用が占めているということです。
