アメリカの電気自動車(EV)メーカー、「リビアン」は、クレア・マクドナフ最高財務責任者(CFO)が10月末で退任すると発表しました。
会社側が提出した規制当局への報告書によりますと、退任の理由は「新たな機会の追求と、家族の近くで暮らすための東海岸への移住」だということです。マクドナフ氏は自身のSNSで、エネルギー大手「GEベルノバ」のCFOに就任することを明らかにしました。
リビアンは、今回の退任は会社との意見の対立によるものではないとしています。現在、後任の人選を進めており、マクドナフ氏の退任後は、財務担当副社長のデレク・マルベイ氏が暫定的にCFOを務める方針です。
リビアンは現在、今年の夏に納車を開始した新型SUV「R2」の生産と販売の拡大など、これまでで最大規模の事業計画に取り組んでいます。
マクドナフ氏は、リビアンが未上場だった2021年1月にCFOに就任しました。当時は、主力ピックアップトラック「R1T」やSUV「R1S」、商用配送バンを市場に投入するため、多額の資金調達を行っていた重要な時期でした。
就任初年度には「R1T」の生産を開始し、新規株式公開(IPO)で120億ドル(約1兆8600億円)を調達しました。一方で、サプライチェーンの制約による生産の遅れやコスト増といった課題にも直面しました。上場時に78ドル(約1万2090円)だった株価は、直近の終値時点で16.80ドル(約2600円)まで下落しています。
自動車業界での経験はなかったものの、マクドナフ氏は財務体質の改善において中心的な役割を果たしました。設計やエンジニアリング部門、そしてRJ・スカリンジ最高経営責任者(CEO)と緊密に連携し、収益性を確保しながら魅力的な車両を開発する体制づくりに貢献したということです。
また、ドイツの自動車大手「フォルクスワーゲン(VW)」グループとの技術合弁事業でも重要な役割を担いました。2024年11月に最終合意したこの提携では、VWがリビアンの電子基盤やソフトウェア技術を利用する見返りとして、2027年までに最大58億ドル(約8990億円)を投資する方針です。
マクドナフ氏は自身のSNSで、「野心的なビジョンを掲げていたリビアンを、業界を代表する企業へと成長させる過程に関われたことは、私のキャリアにおいて最高の出来事でした」と述べています。
