アメリカのロサンゼルス市警察の大量の機密文書がサイバー犯罪グループによって盗み出され、インターネット上に漏えいしたことが明らかになりました。ロサンゼルス市警察は、市検事局のシステムが不正アクセスを受けたとして、被害の全容解明に向けた調査を開始したと発表しました。
地元紙のロサンゼルス・タイムズによりますと、漏えいしたデータには、警察官の人事記録や内部調査の資料が含まれているということです。さらに、黒塗りされていない刑事告訴状や、証人の氏名、医療データといった個人情報を含む証拠開示手続きの文書も含まれているとされています。
情報の透明性を推進する団体の創設者であるエマ・ベスト氏は、今回のデータ流出には「ワールド・リークス」と呼ばれるサイバー恐喝グループが関与していると指摘しました。ベスト氏によりますと、このグループが身代金を要求する目的で運営しているウェブサイトにデータが一時的に掲載され、その際に一部の内容を確認できたということです。データはその後削除されており、削除された理由は明らかになっていません。
ロサンゼルス市警察は声明を出し、今回の事態について調査を進めていると発表しました。警察自身のシステムやネットワークへの侵入ではなく、ロサンゼルス市検事局が管理する「デジタルストレージシステム」が被害を受けたとしています。現在、市検事局と連携して対象のファイルにアクセスし、漏えいの全容を把握する方針です。
カリフォルニア州の法律では、警察官の記録の大部分は非公開とされています。ロサンゼルス・タイムズは、流出したデータが本物であれば、めったに公開されない警察情報に関する「極めて異例の深刻な漏えい事件」になるとしています。報道によりますと、流出したデータは7.7テラバイトに上り、33万7000以上のファイルが含まれているということです。
ロサンゼルス市検事局の広報担当者は、外部の事業者が提供するツールへの不正アクセスを確認したと説明しました。そのうえで、「情報は該当するアプリケーション内に独立して保存されており、ほかの部門の記録やシステムへの接続やアクセスはない」としています。なお、サイバー攻撃を行ったグループからのコメントは得られていません。
「ワールド・リークス」は、2025年1月に活動を開始したサイバー犯罪グループで、以前活動していた別のグループが名称を変更したものとみられています。これまでに医療や製造、テクノロジーなど幅広い業界の組織を標的に攻撃を行ってきたということです。サイバーセキュリティ企業によりますと、このグループは防衛関連企業やアメリカの主要企業に対する高い攻撃能力を持っているとされています。
