アメリカのIT大手メタが運営する通信アプリ「WhatsApp」は、インドでプリペイド式携帯電話の料金チャージ機能を新たに追加したと発表しました。アプリ内での決済サービスの利用を促すねらいがあるということです。
発表によりますと、金融IT企業「PayU」と提携し、インドの主要な通信会社である「Jio」や「Airtel」、「Vodafone Idea」の携帯電話番号に対し、アプリ内から直接料金をチャージできるようにしました。この機能は、今後2週間かけてインド国内のすべてのユーザーに提供されるということです。
WhatsAppはインド国内で5億人以上のユーザーを抱え、2020年に決済サービスを開始しました。しかし、インド政府が推進する統合決済インターフェース(UPI)を利用したデジタル決済市場においては、依然としてシェアが伸び悩んでいます。
インドの決済機関(NPCI)の最新の統計によりますと、今年3月におけるWhatsAppの決済件数は1億3,000万件余りでした。同じ期間に105億件以上を処理したアメリカのウォルマート傘下の「PhonePe」や、75億件以上を処理した「Google Pay」などの競合他社に大きく水をあけられています。
2024年末に利用人数の制限が解除されて以降、WhatsAppの決済利用は増加傾向にあります。今年1月の決済件数はおよそ6,100万件でしたが、3月には2倍以上に増加しました。一方、市場の大部分を占めるPhonePeやGoogle Payも、同じ期間にそれぞれ約30%、約20%の成長を記録しています。
メタは、単なるメッセージのやり取りを超えて、ユーザーのアプリ利用をさらに深める戦略を掲げています。インドではすでに、公共料金の支払いや地下鉄のチケット予約、政府の各種サービスへのアクセスが可能になっており、今回の機能追加も決済サービス拡大に向けた取り組みの一環としています。
また、決済機能にアクセスしやすくするため、アプリのホーム画面にインドの通貨「ルピー」のアイコンを新設しました。メタのインド法人でビジネスメッセージ部門の責任者を務めるラビ・ガルグ氏は、「日常的な取り引きをより簡単にし、アプリの利便性を高めることが目的だ」としています。競合他社が先行する中、メタとしてはアプリの多機能化を通じて巻き返しを図る方針です。