AI(人工知能)の導入にかかるコストへの懸念が業界全体で高まる中、企業向けのAIツールを提供するアメリカの企業「Writer(ライター)」は、利用コストを大幅に抑えることができる新たなAIモデルと、刷新した実行基盤を発表しました。
発表された新たな主力AIモデル「Palmyra X6」は、他社のオープンソースモデルを基に開発されました。会社によりますと、実行基盤の改良と組み合わせることで、基本的なタスクにかかるコストを最大で50%削減できるということです。これらの新機能は、すでに顧客向けの提供が始まっています。
企業のAI活用においては、複雑な作業をより少ないデータ処理量(トークン)で迅速に実行することが課題となっています。Writer社のメイ・ハビブCEOは、「企業はAIの性能評価を追いかけることに疲弊しており、コストの安定を求めています」と指摘しています。そのうえで、実行基盤の最適化がコスト削減の鍵になるという認識を示しました。
同社の研究チームが最近発表した論文でも、このアプローチの有効性が裏付けられています。複数のAIモデルを対象に実行基盤の効率を検証した結果、モデルそのものを変更するよりも、基盤を改良するほうが確実なコスト削減につながり、平均で40%の費用を削減できたとしています。研究チームは、「基盤の効率化は、組織が運用するすべてのAIモデルに波及効果をもたらす」としています。
顧客は今後、特定のモデルに依存することなく、自社のニーズに合わせて新モデルを利用できるほか、他社のクラウドサービスを経由して外部のAIモデルを組み合わせて使うことも可能です。
ハビブCEOは、データ処理量を増やして収益を上げようとする大手AI開発企業に対し、利用者の間で不信感が高まっていると指摘しています。「顧客にとってコストの爆発的な増加は前例のない事態だ」と述べ、大手企業はAIの恩恵をビジネスにどう生かすべきか十分に理解していないとして、独自の戦略で企業のAI導入を支援していく方針です。
