アメリカのIT大手アップルは、誤解を招くマーケティングなどを行ったとして、アプリストアのランキング上位に入っていた報酬アプリ「Freecash(フリーキャッシュ)」をApp Storeから削除したと発表しました。このアプリは、大量の個人データを収集していた疑いも指摘されています。
このアプリは、動画共有アプリ「TikTok」などで、動画をスクロールするだけで収入が得られると宣伝されていました。アメリカのApp Storeでは、ここ数か月でダウンロード数が急増し、ランキングで2位を記録していました。
しかし、サイバーセキュリティ会社「Malwarebytes」の報告によりますと、実際にはユーザーにモバイルゲームをプレイさせて報酬を支払う仕組みだったということです。さらに、その過程でユーザーの人種、宗教、性生活、健康状態などの機密性の高い生体データを大量に収集していたと指摘されています。同社は、このアプリが実質的にデータブローカーとして機能し、ゲーム開発者と課金に前向きなユーザーを仲介していたとしています。
今年1月、アメリカのメディアが同アプリの欺瞞的なマーケティング手法を報じたことを受け、TikTokは規約違反を理由に一部の広告を削除しました。当時、Freecash側は「広告は第三者のアフィリエイトが作成したものであり、自社の関与はない」として不正を否定していました。
今回、アメリカのIT専門メディア「TechCrunch」の指摘を受けたアップルは、誤解を招くマーケティングや詐欺的行為を禁じる規約に違反したとして、同アプリをApp Storeから削除したと発表しました。一方、グーグルの「Google Play」では引き続き配信されており、グーグルは現在調査中だとしています。
アプリを運営するドイツの企業「Almedia」は、不正なトラフィックの誘導や欺瞞的なマーケティング手法の使用を否定しています。同社は「当社のアプリは各プラットフォームの規約を完全に遵守しており、定期的な審査も通過している」とコメントしています。
また、市場調査会社「Appfigures」のデータによりますと、Freecashは過去にApp Storeから削除された後、別の開発者アカウントを通じて名前を変更し、再登録された疑いがあるということです。規約違反による削除を回避するために別のアカウントを使用することは、アプリストアのルールで禁じられています。グーグルのアプリストアでも同様の手法が使われた可能性があり、調査が進められています。
アップルは、詐欺や不正行為が疑われるアプリを発見した場合は、専用のウェブサイトを通じて報告するようユーザーに呼びかけています。
