建設や建築、エンジニアリング企業が新規プロジェクトを効率的に見つけ、受注できるよう支援するプラットフォームを開発するアメリカのスタートアップ企業「Cascade(カスケード)」は、シードラウンドで350万ドル(約5億4000万円)の資金を調達したと発表しました。
出資には、大手ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)が運営するプログラム「Speedrun」のほか、Ada VenturesやSnowball VCが参加したということです。
同社は2025年にハニア・ジア氏とジョアナ・フェレイラ氏によって設立されました。両氏は、自身の家族が建設業界で優れた技術を持ちながらも、適切な営業ツールがないために継続的に仕事を獲得することに苦労する姿を目の当たりにしたことが、起業のきっかけになったとしています。
ジア氏によると、現在アメリカで建設プロジェクトを探す作業は、州や市、郡、連邦政府などの各機関が運営するバラバラのポータルサイトを個別に確認する必要があり、「絶え間ない宝探し」のような状態になっているということです。
こうした課題に対し、Cascadeは進行中および今後のプロジェクトを追跡し、過去の入札データを活用して、どの開発業者が契約を勝ち取る可能性が高いかを予測するプラットフォームを提供する方針です。
具体的には、企業がプラットフォームに登録すると、AI(人工知能)が受注できる可能性の最も高いプロジェクトを判定します。例えば、州政府が1億ドル(約155億円)規模の低価格帯住宅向け補助金を発表した場合、Cascadeは過去のデータからどの開発業者がその補助金を獲得するかを予測します。そして、「この5社のうちのいずれかが補助金を獲得する可能性が高いため、営業をかけるべきだ」と顧客に提案する仕組みだということです。
同社は昨年9月にa16zの支援プログラムに参加し、その実績や知名度の向上が評価され、すでにニューヨークのJFK国際空港やラガーディア空港、高級ホテル、データセンターなどの建設を手がけた企業との契約を結んだとしています。
今回調達した資金は、市場展開の拡大や業界イベントの開催、エンジニアの採用強化に充てる方針です。
建設業界向けの類似サービスは他にも存在しますが、Cascadeは自社のプラットフォームがよりAIに特化していると強調しています。フェレイラ氏は、「顧客が案件を受注してフィードバックを提供するたびにシステムが学習し、長期的には業界全体の完全な相関図を構築して、顧客ごとに最適なプロジェクトを予測できるようにする」と今後の展望を述べています。
