米国の有力投資会社であるアンドリーセン・ホロウィッツは、人工知能(AI)分野において、米国以外の出身である外国人起業家が有利な立場にあるとの分析結果をまとめ、国際的な投資戦略をさらに強化すると発表しました。
同社でAI関連のアプリケーションやグローバル投資戦略を担当するガブリエル・バスケス氏によりますと、同社の関連ファンドにおける投資先のうち、44%が米国以外の出身者によって設立された企業だということです。同社は独自のネットワークを通じて、移民や外国人起業家の支援を推進しています。
バスケス氏らは、現在のAI分野においては「母国と米国のシリコンバレーの両方に拠点を持つことが強みになる」と指摘しています。これまでは起業家が米国へ移住することが一般的でしたが、同社は有望な投資先を発掘するため、起業家に米国への移住を求めるのではなく、積極的に海外の現地へ足を運ぶ方針をとっています。
この背景には、企業向けの市場における世界的な変化があります。過去3年から5年の間に、米国以外の企業でも最新の技術を導入する動きが急速に進みました。中南米など、これまで人件費の安さからソフトウェアの普及が遅れていた地域でも、顧客対応などで24時間稼働するAIの導入が不可欠になっているということです。
また、米国の新興企業は当初から世界市場に対応する余裕がなく、国内の顧客を優先する傾向があります。そのため、海外市場では地元の起業家が自国の企業にAI技術を提供する余地が大きく残されているとしています。本社をどこに置くかという概念も柔軟になっており、ポーランド政府が、自国出身の起業家が設立した音声AI企業に国家として出資した事例などが挙げられています。
さらに、人材獲得の面でも外国人起業家に利点があるとしています。シリコンバレーでは、数千億円規模の多額の資金を調達した大手AI企業との人材獲得競争が激化しており、採用が極めて困難な状況にあります。一方、米国外の起業家は、ヨーロッパの大学発の新興企業など、各地域に存在する優秀な人材を活用できる環境にあるということです。同社は今後も、欧州などを中心に新たな投資先の発掘を進めるとしています。
