アメリカの電気自動車大手テスラの元エンジニアが設立した鉱山開発のスタートアップ企業「マリアナ・ミネラルズ」は、鉱山運営の自動化に向け、自動運転システムを開発する「プロント」と提携したと発表しました。
アメリカ国内の製造業に注目が集まる中、テスラに10年近く勤務したターナー・コールドウェル氏は、サプライチェーンの基盤となる鉱物資源への関心が不足していると指摘しています。同氏は2024年にマリアナ・ミネラルズを設立し、精製された金属の供給量を増やすことを目標に、鉱山運営のあらゆる側面の自動化を進める方針です。
マリアナ・ミネラルズは今回、建設現場や鉱山で使用されるオフロード車向けの自動運転システムを手がけるプロントとの提携を発表しました。プロントは最近、配車サービス大手ウーバーの共同創業者であるトラビス・カラニック氏が率いる新たなロボティクス企業「アトムズ」に買収されたばかりです。
この提携により、マリアナ・ミネラルズが昨年取得した西部ユタ州の銅山「カッパー・ワン」において、来週から自動運転の運搬トラックの稼働が開始されるということです。なお、契約の具体的な条件は明らかにされていません。
コールドウェル氏によりますと、プロントの自動運転システムは、マリアナ・ミネラルズが開発した鉱山運営ソフトウェアに直接組み込まれるということです。これにより、人間の介入なしにトラックの配車やルートの調整が可能になるとしています。
同社は将来的に、強化学習を活用して鉱山全体の運営を自動化し、統合的に管理するビジョンを描いています。コールドウェル氏は、既存の欧米の巨大鉱山企業について「技術の導入が遅れており、生産性が制限されている」と指摘しています。また、新たなインフラ投資の不足により人材が集まらず、労働力不足が深刻化しているとの見方を示しました。
マリアナ・ミネラルズは、ソフトウェアを基盤としたアプローチがこの問題の解決策になるとしています。将来的には、自社で開発した管理ソフトウェアを他の鉱山企業に販売する可能性もあるということです。しかし、コールドウェル氏は「中核となる事業は金属の販売である」と述べ、まずは自社で鉱山を運営し、金属の生産に注力する方針を強調しました。
さらに、自社で鉱山を運営することは、強化学習の精度を高めるためにも不可欠だとしています。より正確なデータを収集することで、将来的には人間が思いつかないような最適な意思決定が可能になるということです。
コールドウェル氏は、自動化の目的は人員削減ではないと強調しています。「限られた労働力でより高い生産性を実現することが目標であり、自動化によって稼働する鉱山が増えれば、結果として新たな雇用が創出される」としています。
