アメリカの自動運転技術を開発する企業において、テストドライバーが急ブレーキなどにより負傷する事例が相次いでいることが明らかになりました。一方で、自動運転トラックを開発する新興企業が約310億円の資金調達を実施したと発表するなど、自動運転分野における商業化の動きと安全面での課題が浮き彫りになっています。
自動運転技術の推進派は、ロボタクシーなどの自動運転車が交通事故を減らし、道路の安全性を高めると主張してきました。しかし、アメリカの労働安全衛生局(OSHA)に提出されたデータから、技術開発に携わる労働者に負担が生じている実態が明らかになりました。
データによりますと、自動運転開発企業であるウェイモ(Waymo)やズークス(Zoox)のテストドライバーが、2024年から2025年にかけて、自動運転車の急ブレーキなどの予期せぬ動きにより20件以上の負傷を負っていたということです。中には、急停止によるむち打ち症などで数か月にわたり業務から離脱せざるを得なかったケースも報告されています。他の開発企業でも同様の負傷が発生している可能性が指摘されていますが、一部の企業はOSHAへの報告義務を免除されているとみられます。
一方、自動運転分野での商業化に向けた動きも加速しています。無人の小型トラックによる配送を手がける新興企業「ガティック(Gatik)」は、カタール投資庁などが主導する新たな資金調達ラウンドで2億ドル(約310億円)を調達したと発表しました。同社は研究開発の段階から商業運行へと移行しており、ペプシコ(PepsiCo)との複数年にわたる商業契約を含め、総額6億ドル(約930億円)の契約収益を見込んでいるとしています。
このほか、関連企業の動向として以下の点が報告されています。
インドの自律型ドローン開発企業「エアバウンド(Airbound)」は、シリーズAラウンドで3,700万ドル(約57億円)を調達しました。
電動シーグライダーを開発するアメリカの「リージェント・クラフト(Regent Craft)」は、シリーズBラウンドで1億2,000万ドル(約186億円)を調達したほか、同額の負債資本も確保しました。同社は防衛分野への進出を強化する方針です。
アラブ首長国連邦(UAE)を拠点とするプライベート航空グループ「ビスタ・グローバル・ホールディング(Vista Global Holding)」は、ヨーロッパでの新規株式公開(IPO)を検討しており、10億ドル(約1,550億円)以上を調達する可能性があると報じられています。
アメリカの自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は、電気自動車(EV)のブレーキ問題に関連して数百件のトラブルや20件以上の衝突・火災事故が報告されており、安全規制当局からの監視が強まっています。
アメリカのEVメーカー「リビアン(Rivian)」では、クレア・マクドノー最高財務責任者(CFO)が10月末で辞任することが明らかになりました。同社はウーバー(Uber)とのロボタクシー契約や新型SUVの生産拡大など、重要なプロジェクトを控えています。
ウーバーは、乗車中の子どもを保護者が確認できる新しいライブビデオストリーミング機能の提供を開始する方針です。
ウェイモは、自動運転での走行距離が2億マイルを超えた実績に基づき、複数のセンサーを組み合わせるマルチモーダル技術の不可欠さなど、10の教訓を公開しました。これはカメラのみに依存するテスラ(Tesla)のアプローチとは対照的です。また、同社はドイツのミュンヘンへの進出計画も発表しました。
なお、ウェイモが以前発表した自動運転システム向けのカスタムチップについて、毎秒1,000兆回の演算処理(1,000 TOPS)の性能を持つとされていましたが、これは単一のチップではなく、システム全体での性能であることが確認されたということです。
