米IT大手アップルは、約15年間にわたりCEO(最高経営責任者)を務めたティム・クック氏が退任し、9月1日付けでハードウェア部門担当シニア・バイスプレジデントのジョン・ターナス氏が新たなCEOに就任すると発表しました。クック氏は今後、会長職に就くということです。
アメリカのメディア「ブルームバーグ」の報道によりますと、ターナス新CEOは、複数の幹部による合議制を重んじたクック氏とは異なり、よりトップダウンで迅速な意思決定を行う方針だということです。
関係者によりますと、クック氏が製品開発において自ら選択を下すのを避け、担当者に質問を投げかける手法をとっていたのに対し、ターナス氏は自ら明確な決断を下す姿勢を示しているとしています。これにより、少数の幹部による集団的な意思決定が行われてきたこれまでの体制が転換期を迎える見通しです。
アップルは現在、新たな製品分野への参入や、消費者向けAI(人工知能)分野での競争力強化に向けた準備を進めています。こうした中、ターナス氏の明確な方針決定が今後の重要な鍵になるとみられています。
また、ターナス氏の起用には、同社の製品ラインナップを刷新し、より焦点を絞った開発を進める狙いがあるということです。その最初の兆候として、ターナス氏が開発を強く後押ししたとされる「MacBook Neo」が挙げられています。
一方で、ターナス氏は大規模な新規ハードウェア事業に対しては慎重な姿勢をとっているとされています。クック氏が長年注力してきたゴーグル型端末「Vision Pro」は、多額の投資にもかかわらず販売が低迷しています。さらに、アップルは約100億ドル(約1兆5500億円)を投じた自動運転車開発プロジェクトも中止しました。報道によりますと、ターナス氏はこれらのプロジェクトに対し、当初から慎重な立場をとり、一定の反対意見を述べていたということです。
