アメリカのIT大手アップルは、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が年内に退任し、9月1日付でジョン・ターナス氏が新たなCEOに就任すると発表しました。ターナス氏は25年以上にわたり同社に在籍し、主要な製品開発を主導してきた実績があるということです。
ターナス氏は1997年にアメリカのペンシルベニア大学で機械工学の学士号を取得し、仮想現実(VR)関連の新興企業を経て、2001年にアップルに入社しました。入社後は製品デザインチームに配属され、デスクトップ向けモニターの開発などを担当しました。その後、2005年にはパソコン「iMac」のハードウェア開発を主導し、中国におけるサプライチェーンの拡大にも重要な役割を果たしたということです。
また、ターナス氏はタブレット端末「iPad」やワイヤレスイヤホン「AirPods」、同社初の5G対応スマートフォンの開発を牽引してきました。さらに、パソコン「Mac」に搭載する半導体を他社製から自社開発の「Apple Silicon」へ移行するプロジェクトを主導し、同社の技術的な自立化に大きく貢献したとされています。
2021年にはハードウェアエンジニアリング担当の上級副社長に就任し、近年では腕時計型端末「Apple Watch」やデザインチームの統括も任されるなど、次期トップとしての基盤を固めてきました。
関係者によりますと、ターナス氏は社内で協調性が高いと評価される一方で、コスト管理にも厳格な姿勢を示しているということです。また、前任のクック氏と比較して、より迅速に決断を下す傾向があると指摘されています。
ターナス氏はこれまで、自動運転車やゴーグル型端末などの新規分野に対して慎重な姿勢を示してきましたが、今後はスマートホーム関連機器を同社の新たな成長分野と位置づける方針です。
クック氏は退任後、エグゼクティブ・チェアマン(会長)として会社に残り、政策立案者との交渉やターナス氏の支援にあたるとしています。2011年にスティーブ・ジョブズ氏からクック氏へトップが交代した際とは異なり、今回はより安定した体制での引き継ぎが行われる見通しです。
