アメリカの著名投資家キャシー・ウッド氏が率いる「アーク・インベスト」のベンチャーファンドは、企業の顧客ロイヤルティプログラムをゲーム化する新興企業「ルクラ(Lucra)」に対し、初めて主導的な立場で投資を行ったと発表しました。
ルクラは、企業のポイントサービスなどの顧客ロイヤルティプログラムを、eスポーツのような対話型のイベントに転換するソフトウェアを開発しています。顧客同士が対戦し、現金や企業の景品を獲得できる仕組みを提供しており、アメリカの娯楽施設大手などが導入しているということです。
ルクラの発表によりますと、同社は新たな資金調達ラウンドで2000万ドル(約31億円)を調達しました。この調達はアークのファンドが主導し、複数の投資会社も参加したとしています。
アークのベンチャーファンドが新興企業への投資を主導するのは今回が初めてです。同ファンドは一般的なベンチャーキャピタルとは異なり、アメリカ証券取引委員会(SEC)の規制を受ける投資信託の形態をとっており、最低500ドル(約7万7500円)から誰でも投資できるということです。一方で、公開市場では取引されておらず、投資家は四半期ごとに限られた日程でのみ株式を売却できる仕組みとなっています。
アークは過去に、類似の事業を展開していた企業に投資して損失を出した経験があり、この分野への投資には慎重な姿勢を示していました。しかし、ルクラが一般消費者向けではなく、企業向けのプラットフォームを提供している点などを高く評価したということです。
また、アークはルクラの初期段階の資金調達にも参加しており、事業モデルや経営陣との対話を重ねてきました。アークの調査部門の責任者であるニック・グロース氏は、「スポーツ賭博の分野やエンターテインメントのゲーム化について調査を重ねており、今回の事業機会を十分に理解できた」と説明しています。
現在、市場では人工知能(AI)関連の企業に投資の関心が集中しています。これについてキャシー・ウッド氏は、「AI以外の分野で有望な企業が見過ごされており、そこに私たちの機会がある」と述べ、独自の調査を通じて幅広い分野で投資機会を探る方針を示しました。
