イギリス政府は、子どもがスマートフォンやタブレット端末で不適切な画像を撮影したり、共有したりすることを防ぐため、アメリカのアップルやグーグルなどのIT大手に対し、端末レベルでの保護機能の導入を義務付ける新たな法案を提出する方針を明らかにしました。
イギリスのナンディ文化相は議会での声明で、子どもをオンライン上の性的被害から守るための新たな法規制を「可能な限り早期に」議会に提出する方針を示しました。イギリス政府は今年6月、IT企業に対して自主的な保護対策を導入するよう3か月の猶予を与えていました。ナンディ文化相は、アップルやグーグルがそれ以降「有意義な変更」を行ったと認めた一方で、「現在の危機の規模には見合っていない」と指摘しています。
ナンディ文化相によりますと、子どもたちはオンライン上で深刻な性的被害に直面しており、不適切な画像の作成や共有を強要されるケースが相次いでいるということです。インターネット監視財団(IWF)の調査では、こうした画像の91%が子ども自身によって撮影され、脅迫などに悪用されているとされています。また、毎年約9,000件の児童性的虐待事件にオンラインの要素が絡んでおり、オンラインでの脅迫被害の約4分の1を18歳未満が占めているということです。
さらにイギリス政府は、端末レベルでの保護機能に加えて、子どもが利用するアプリに対しても、不適切な画像へのアクセスや共有を防ぐ要件を新たに課す方針です。これにより、オンライン環境全体を改善し、子どもが被害に遭う要因を根絶することを目指すとしています。
この方針に対し、アップルはメディアの取材に答え、「オンライン上の搾取や虐待と闘うというイギリス政府の姿勢に賛同する」とコメントしました。そのうえで、子どもの安全を守るための機能「コミュニケーションの安全性」などをさらに強化する今後の計画を、イギリス政府の担当者と共有したとしています。また、同社は2021年に子どもが不適切な画像や動画を閲覧・共有することを防ぐ機能を導入しており、現在では外部の企業が開発したアプリにも対応していると強調しています。